菜乃花 2018年10月04日号

森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 この差は何だろう?

掲載日時 2016年03月10日 10時00分 [政治] / 掲載号 2016年3月17日号

 議員辞職をしたあとも、宮崎謙介元代議士に対するメディアの追及が止まらない。
 2月25日号の『週刊文春』は、不倫相手のグラビアタレントのほかに、別の女性と“二重婚約”の疑惑があったと報じている。2月12日の記者会見で、宮崎氏が他の不倫の存在を否定しなかったのも、この記事が出ることを予期していたからなのだろう。
 こうなってみると、宮崎氏の育休宣言は、単なるパフォーマンスにすぎなかったし、国会議員になったこと自体が、ナンパの手段だったのではないかと思えるほどだ。

 言ってしまえばチャラ男にすぎなかった宮崎氏が再び政治家として復活する目は、ほとんどないが、そこでどうしても思い起こされるのが、橋下徹前大阪市長の不倫スキャンダルだ。
 '12年7月に、今回と同じ『週刊文春』が橋下氏の愛人だった女性のインタビューを掲載した。
 《「Hはナマでやっちゃう時もありました。橋下さん、お子さんが七人もいるんでしょ? 自分で『オレは的中率が高い』って言ってましたけど、私も若かったですから、『外出ししてくれたら大丈夫かな』ぐらいの軽いノリだったんで、あまり気にしていません(笑)。それと橋下さんはコスプレも好きでしたね。一緒によく行ってたバリ風のラブホテルにはコスプレの貸し出しサービスがあったんですが、私はスチュワーデスやOLの格好をさせられたことがあります(笑)」》

 本人が事実関係を認めたことも、宮崎前議員と同じだ。ところが、決定的に違うのは、宮崎氏が議員辞職に追い込まれたのに対して、橋下氏は反省の弁を述べただけで、その後は何らお咎めなしだ。
 この差は一体何なのだろうか。私は、大手メディアの扱いの差ではないかと思っている。宮崎氏の場合は、新聞やテレビが袋叩きに徹しているのに対して、橋下氏の不倫の場合は、報道がすぐに収束してしまったのだ。
 そうした差が生まれる原因は、宮崎氏が吹けば飛ぶような小者であるのに対して、橋下氏は憲法改正の行方を左右する与党に近い大物だということではないだろうか。そして、もし本当に大手メディアがそうした権力に配慮した扱いをしているのだとしたら、私はメディアの自殺行為だと思っている。

 もう一つ、私がおかしいと感じるのは、甘利明元経済再生相の現金受領事件についてだ。甘利氏は、大臣は辞職したものの、議員辞職はしていない。このまま逃げ切りの構えのようにもみえる。
 しかし、国会があっせん利得罪を作ったのは、明確な職務権限がなくてもカネをもらって口利きをすれば、処罰できるようにするためだ。今回は、現金授受という明確な証拠があるのだから、これで逮捕ができなければ、法律の意味がなくなってしまう。
 にもかかわらず、大手メディアは甘利前大臣の追及の手を緩めてしまっているのだ。

 権力は必ず腐敗する。政権からすべり落ちて、一度は腐敗を断ち切ったはずの自民党は、スキャンダル続出で、もう腐敗を始めている。その腐敗は、大手メディアにも伝染しているのではないだろうか。

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