彩川ひなの 2018年7月5日号

LiLICoオススメ「肉食シネマ」 ダメ男? それとも彼は真の天才!? 『ジャコメッティ 最後の肖像』

掲載日時 2017年12月28日 13時00分 [エンタメ] / 掲載号 2018年1月11・18日合併号

LiLICoオススメ「肉食シネマ」 ダメ男? それとも彼は真の天才!? 『ジャコメッティ 最後の肖像』

 お仕事お疲れ様です。年末年始の飲酒でお疲れモードのことと思います。新年の戦いに向け、少しでも肝臓を休ませてください!

 さて、'18年に備えて、天才の生き様を描いた映画はいかがですか? 彫刻家のアルベルト・ジャコメッティ。正直、私はアートに疎く、彼を知らなかった。でもジャコメッティを演じた名優、ジェフリー・ラッシュのなりきり度で、一気に性格や考え方が掴めましたし、好きになりました。
 ラッシュといえば、もちろん『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのバルボッサ役でお馴染み。最初から個性的なルックスの彼ですが、実は、カメレオン俳優です!

 この映画は、最後の肖像画に挑んだジャコメッティの姿を描いていて、特に大きな事件が起こるわけではないけど、意外な素顔を垣間見ることができます。アメリカの青年ジェームズ・ロードにモデルになってほしいと頼み、彼は快くOKするのですが、とにかくこの男が超イケメン! ジェームズを演じているのは『ソーシャル・ネットワーク』のアーミー・ハマー。スタイルがよくて、声がまた最高にセクシー。プライベートでは家族思いと、褒めるところがいっぱいありすぎてキリがないのでストーリーに戻ります。

 このモデルは1日の約束でしたが、まったく出来上がりません。もちろん、ジャコメッティのせい。ポーズの要求が細かく、少し動いただけで文句を言っては、また細かく指示。さらに、描いては気に入らなかったりと、ジェームズはアメリカに帰る飛行機の日にちを何度も延長する始末。やはり天才は自分に厳しい。
 これが何度も繰り返されお互いのイライラがピーク。ただ単に“描けない”ならまだ許せますが、奥さんとは違う女性を抱いたり、おいしいお酒に溺れたり…。悪く言えばダメ男だけど、天才に多くないですか? こんな感じの人。

 ジャコメッティとジェームズのコンビが、どこかエロティシズムに溢れていて、身体の関係はないものの、空気を流れているバイブスがどこか熱い。そして、1964年という時代が、また2人の微妙な関係を包んでくれています。
 実はこの作品の監督は、スタンリー・トゥッチ。最高に面白い俳優です。『トランスフォーマー』や『ハンガーゲーム』などで有名。今回は脚本と監督を務めているのも注目です。

 天才の生きる道…。彼は本当に天才だったのか?

画像提供元
(C)Final Portrait Commissioning Limited 2016

■『ジャコメッティ 最後の肖像』
監督/スタンリー・トゥッチ
出演/ジェフリー・ラッシュ、アーミー・ハマー、トニー・シャルーブ、シルビー・テステュー、クレマンス・ポエジー
配給/キノフィルムズ

 2018年1月5日(金)、TOHOシネマズ シャンテ ほか全国ロードショー。
 1964年のパリ。芸術家アルベルト・ジャコメッティ(ジェフリー・ラッシュ)はアメリカ人青年のジェームズ・ロード(アーミー・ハマー)に肖像画のモデルを依頼する。ロードはジャコメッティの頼みに快諾するが、短い期間で終了すると思われた制作作業は、ジャコメッティの苦悩により、終わりが見えなくなっていた。その途中で、ロードはジャコメッティのさまざまな素顔を知ることとなり…。

LiLiCo:映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS「大様のブランチ」「水曜プレミア」、CX「ノンストップ」などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。

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