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歌謡(うた)のマドンナ 第7回 上杉香緒里 そこまでやる? 体を張った企画が話題 演歌界のあくなきチャレンジャー

掲載日時 2016年03月24日 18時00分 [芸能] / 掲載号 2016年3月21日号

歌謡(うた)のマドンナ 第7回 上杉香緒里 そこまでやる? 体を張った企画が話題 演歌界のあくなきチャレンジャー

 −−昨年でデビュー満20年を迎えた上杉香緒里。芯の通った安定感ある声は円熟の領域。その片鱗は子供の頃から、すでにあったようだ。
 「もともと母が歌手志望でした。若い頃、オーディションを受けて上京する寸前まで話が進んだものの、親の反対で諦めたそうです。そんな母の後押しもあって、カラオケ大会に兄と一緒によく出ていました。子供が演歌を歌うと目立つので、それが気持ちよかったというのもありますね」

 −−器械体操を熱心にやっていたがケガに泣いて断念。その情熱を歌に傾けるようになったという。多くの大会で受賞し自信をつけた後、歌手デビューを目指して弟子入り志願した先が、細川たかし、鳥羽一郎、香西かおりなどに作品を提供している作詞家の里村龍一氏だった。
 「高校卒業と同時に上京し、荻窪にあった里村先生のお宅に内弟子として居候しました。当時は先生ご夫妻と、私の他に内弟子の女の子3人が暮らしていました。先生は『演歌歌手は体力が基本だ!』という考えで、弟子たちは毎朝起きたら、まずは10キロ走。帰ってきたら腹筋と腕立て伏せ。そして発声練習。もちろん食事の準備や掃除などの雑用も弟子の仕事です。お酒が大好きな先生はよく夜遅くまで飲んでいて、その帰宅を寝ずに待ったり。そんな日々でしたね」

 −−彼女は弟子の中では一番の後輩。しかしチャンスは意外と早く訪れる。
 「私が上京したのは先生が引っ越してきて間もない頃で、ある日、文化放送系列の音楽出版社の会長が、引っ越し祝いに室内に飾る絵を持って訪ねてきたんです。先生は私たち弟子を連れてカラオケボックスに行き、会長の前で歌わせました。そこで、私の声を気に入ってくださったのがきっかけでデビューの話がまとまったんです」

 −−'95年6月に『風群(かぜ)』でデビュー。発売前に、約2カ月かけて全国のレコード店500店を挨拶回りするキャンペーンを敢行した。
 「レコード会社のスタッフとお揃いのハッピを着て、『1年生』の名札を付けて。ラジカセ一つでマイクを使わず生声で歌いました。多い時は1日10軒くらい回ったので大変といえば大変でしたけど、初めての場所に行けるのは楽しかったです。それに当時のレコード会社がすごく羽振りがよかった頃で、行く先々で盛大な食事会の毎日。各地の美味しいものをいただいたので、むしろ太りました(笑)。東京に帰ってくると、私の姿を見た先生から『お前仕事してきたのかよ』と言われたものです(笑)」

 −−そんな上杉、話題のアスリートに容姿が似ていることをネタに新曲をPRしてきたのが記憶に新しい。
 「これまで、柔道の谷亮子さん、フィギュアスケートの荒川静香さん、カーリングの目黒萌絵さん、サッカーの澤穂希さんなど、応援の意味も込めていろんな方に似せたコスプレをさせていただきました。今年のリオデジャネイロオリンピック、果たして私に似た日本選手がいますかね…?」

 −−さらにここ10年ほど話題を振りまいているのが、上杉が体を張っていろいろな事に挑戦する『チャレンジキャンペーン』だ。
 「'04年から、ほぼ年に1回のペースでやっています。事務所のサンミュージックが、昔からこういう目立つことをするのが好きなんですよね。第1弾は、東京タワーの590段ある階段を歩いて登るというもの。その後、滝に打たれたり、パラグライダーで空を飛んだり、競艇のボートに乗せてもらったり。流鏑馬もやりました。乗ったのは馬じゃなくてポニーですけど(笑)。ラフティングは台風が通った次の日で、川の水かさがすごく、どんどん流されてしまって怖かったです。一番しんどかったのは、陸上自衛隊の体験入隊ですね。ほふく前進、腹筋、腕立て、重いブーツを履いた状態で3キロ走…。地味な基礎体力作りだけで、この時ばかりはちっとも面白くなかったです(笑)」

 −−特にインパクトが大きかったのは第10弾の「女子プロレス」。着物姿で歌う面影はどこへやら、極悪メークを施し、あのダンプ松本とタッグを組んでエキシビションマッチ。見事な体のこなしでプロレス技の数々を披露した。
 「プロレスラーになるのが夢だった時期もあったので楽しかったです。3日間みっちり練習してから臨んだからケガはしませんでした。体はアザだらけになりましたけど。試合の後、極悪メークのまま、リング上で新曲を歌いました(笑)」

 −−果たして次の挑戦は?
 「皆さんが『次は何やるの?』って期待してくださって、エスカレートしていったので、プロレスを超える企画がなかなか思いつかないんです。いいネタがあったら教えてください(笑)。これで『何か面白いことをやってるヤツがいるな』と、上杉香緒里を、さらには演歌のことを、幅広い人たちに知ってもらえるきっかけになればと思います」

うえすぎ・かおり=1975年10月20日生まれ。新潟県燕市出身。'95年6月、『風群(かぜ)』でBMG JAPAN(当時)からデビュー。'99年にテイチクエンタテインメントに移籍。最新曲は、23枚目のシングルとなる3月16日発売の『手鏡』。

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