菜乃花 2018年10月04日号

わくわく地方競馬 スペシャルインタビュー:吉井章騎手(大井競馬)

掲載日時 2018年06月07日 18時00分 [エンタメ] / 掲載号 2018年6月14日号

 この春、騎手としてデビューし、5月11日に記念すべき初勝利を挙げた吉井章(大井所属・松浦厩舎)。父は同じくこの4月に調教師としてデビューした吉井竜一元騎手。若さあふれる騎乗に大器の片りんをのぞかせる吉井に、今後の意気込みを聞いた。

 今年の大井所属の新人は、吉井章、北野壱哉の2人。同じく元ジョッキーの調教師を父に持つ同士として、期待とプレッシャーに戦いながら、高いレベルで切磋琢磨してきた。
 「壱哉はライバルでもあり、大切な仲間でもあります。だから壱哉が勝った時は本当に嬉しくて」
 北野はすでに2勝をあげていた。焦る気持ちがないわけではないが、「父をはじめ周りの方々には、焦る必要はない、と言われていました。自分も目の前の一走一走にしっかり乗ることだけを考えていた」。

 ゴール前、全身で懸命に追う姿にその気持ちがあふれていた。そして5月11日、デビュー31戦目にようやくつかんだ初勝利。
 「勝つことってむちゃくちゃ嬉しいですね」と、まだあどけない笑顔で素直に喜びを口にするとともに、「時間がかかってしまったので、ホッとしました」と安堵の表情を見せた。
 口取りには父の吉井竜一師も加わり、息子の初Vに「落ち着いて乗っていた」と目を細めた。

 小さい頃、競馬は「父の仕事」というだけの存在だった。しかし、中学生の時、何気なく入った父の部屋、そこで1冊の本を見つける。
 「競馬の教科書のようなものだったと思うんですけど、それを手に取ってちょっと見たのがきっかけですね」

 競馬って面白いかもしれない――。その頃からだんだんと「騎手」を将来の職業として意識するようになった。
 そのことを父に告げると、「厳しいから無理だ」と猛反対された。しかし、息子の熱意に押され、「最終的にはチャレンジすることを許してくれました」。

 その父はこの春、調教師となり、そして息子は騎手としてデビューした。立場は変わっても父は誰よりも身近で見守ってくれる大きな存在でもある。
 「朝、新聞を見ながらレース分析したり、レースが終わると必ず(検量室の前で)待っていてくれて、すぐにアドバイスをくれる。今は一緒に仕事をするのが楽しかったりします(笑)」

 勝負服のデザインは、赤青襷、袖白一本輪。父の勝負服のカラーを基調にし、たすきをかけた。
 「目標はもちろん父です。いつか父の(厩舎の)馬で勝ちたいと思います」
 そして、父がそうであったように「たくさんのファンから愛されるジョッキーになりたい」。
 父の作った歴史と思いを、たすきでつないでいく。

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