堺雅人、木村拓哉、織田裕二…ギャラ高俳優「首切り」時代突入へ

芸能・2020/05/18 12:00 / 掲載号 2020年5月21日号

「ドラマやバラエティーに出演していた売れっ子芸能人らは、莫大な蓄えがあります。1カ月も我慢すれば、これまで通りの収入が戻ってくると高をくくっていた。ところが、状況は悪くなる一方で、8割以上の芸能人が4月分のギャラは半分以下。5月以降は0円になる者も出てきます。未曾有の事態です」(民放キー局幹部)

 1時間で100万円以上のギャラを手にしていた芸能人でさえ、急激な収入減に慌てふためいている。というのも、今後、民放キー局による大リストラ策が水面下で密かに進められているからだ。

 民放テレビ局はコロナ禍による広告収入激減で、タレントの大量クビ切りに着手せざるを得ないという。こうしたテレビ局の危機的状況に大きな影響を与えているのが、政府発令の緊急事態宣言。

「本来なら5月6日に終結する予定だったが、コロナ禍は一向に収束しない。日本医師会の横倉義武会長からも安倍首相に『最低でもあと1カ月の延期が必要』との進言が行われた。政府は濃厚接触機会の8割削減を目指しコロナを封じ込める作戦だったが、失敗に終わった。現在、日本の感染者数は1万人台で、死者数は415人(4月30日時点)。現状のままだとこの数値は8月までに10倍になるとの予測が出ている」(厚労省キャリア)

 緊急事態宣言が長引くことで民放局の米櫃であるスポンサーからの広告出稿が激減、あるいは停止状態に陥る。テレビで流れるCMには、番組個別に紐づいた“タイム”と視聴率に基づいた“スポット”の2種類の広告枠がある。

「民放局は無料で番組を放送する代わりに、スポンサーから広告料をもらう。これを元に番組を制作する。費用は番組を放送するテレビ放映権料、中継権利料、番組制作会社などへの業務委託料、タレントへの出演料などです。局の利益は広告収入の30%程度しかない。だが、コロナ禍でタイム、スポットいずれの広告出稿が0円になる可能性が出てきた」(民放営業担当役員)

 一連のコロナ禍で各民放キー局の収益は、昨年度比15〜20%(200〜300億円以上)の減収になると推定されている。

 民放テレビ局の屋台骨がガタガタに崩れると、モロに影響が出てくるのが芸能界だ。中でも、割を食っているのはドラマを主戦場とする俳優陣。

「ドラマの収録現場は、まさに3密の際たるもの。ドラマの撮影ができず、次々に中止になってしまった。篠原涼子主演『ハケンの品格』、木村拓哉主演『BG〜身辺警護人〜』、石原さとみ主演『アンサング・シンデレラ』、堺雅人主演『半沢直樹』など、すべて初回放送が延期になった。前作のあるシリーズ物は総集編が作られた。新作ドラマは過去に放送された別作品を再放送し、急場を凌いでいるんです」(編成幹部)

 異例の事態を受け、放送回数を減らすなどの対策が各局で取られる一方で、出てきたのが“首切り”のリストラ案だ。

「民放はCMがあって初めて成立する。しばらくは自社や東日本大震災時のように公共性の広告などを流し、制作費は社内留保分で対応する。だが、限界はある。スタッフの人件費を削った上で、次にターゲットになるのがギャラの高い俳優陣を出演リストから省くことになる」(テレビ関係者)

 4月期ドラマの主役でさえ、高額な出演料を理由にチャンスを喪失する可能性が出てきたわけだ。

「ちなみに、『ハケンの品格』の篠原は1本推定200万円。『BG』の木村は1本400万円。『アンサング・シンデレラ』の石原は300万円。『半沢直樹』の堺は500万円…こんな額を払っていたら民放は潰れてしまう。コロナ騒動が長引けば、全員お払い箱です。声も掛からない。過去の再放送なら権利処理で初回撮り総制作費の10分の1で済む。1話5000万円で制作したドラマなら、500万円を払えば再放送できるわけです」(同)

 他にも、『SUITS/スーツ2』1本350万円の織田裕二や『竜の道 二つの顔の復讐者』1本250万円の高橋一生らも似たような運命にあるという。

「今後、ドラマなどでは1本30〜50万円が妥当なギャラになるといわれています。結論から言えば、コロナが落ち着いても民間企業の景気が戻らない以上、広告収入も回復しない。一度、下げられた広告料を元に戻すのは商業の慣例として至難の業。テレビ局も下げたギャラを元に戻せないのです」(大手広告代理店幹部)

 壊滅的な経済的被害を被る民放キー局を傍目に、以前よりも増して隆盛を誇っているのが天下のNHK。民放同様、コロナ感染リスクから収録できないのは同じだが、制作費は潤沢にある。芸能人らも大挙してNHKに押しかけている。

「その多くが民放大リストラで名前の挙がった芸能人です。あるNHKのプロデューサーは『かつてNHKを無視していた大物自らが挨拶に出向いてきた』と自慢していた。NHKが強気でいられる理由の1つは『おはよう日本』、『首都圏ネットワーク』、『ニュース7』、『首都圏ニュース845』、『ニュースウオッチ9』など報道番組の高視聴率化だ。軒並み視聴率10%台をキープ。政府も、NHKの予算を削ることができない“ガス抜き”政策として、バラエティーやドラマなどを積極的に後押ししているんです」(NHK消息筋)

 3月1日から試験的に始まった地上波とネット同時配信が視聴できるNHKプラスも絶好調。

「スマホでNHKが視聴できるのは、いずれ受信料のとりっぱぐれをなくすため。当初、民放局を気遣っていた政府もNHKの予算を確保するため、すべてを容認する方向に動いている」(総務省関係者)

 新型コロナはテレビ界の勢力図まで塗り替える。

関連記事
関連タグ
芸能新着記事