片山萌美 2019年7月4日号

フランスの元首相が隣国スペインの市長選に出馬表明のナゼ?

掲載日時 2018年11月07日 20時00分 [社会]

フランスの元首相が隣国スペインの市長選に出馬表明のナゼ?
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 日本で言えば、鳩山由紀夫元首相が韓国・釜山市長に立候補するようなものだろうか――。フランスのオランド前仏大統領の下で首相・内相を務めたマニュエル・バルス元首相が9月25日、2019年5月26日に予定されているスペインのバルセロナ市長選に立候補することを発表した。

 同じ欧州連合(EU)域内とはいえ、政治家が他国の政界に進出しようというのは極めて異例のことだ。実はバルセロナは、バルス元首相の生まれ故郷なのだ。

 スペイン北東部にあるカタルーニャ自治州の州都バルセロナは、人口約160万人、首都マドリードに次ぐ都市である。バルス氏は、この地で56年前に生まれ、スペイン・カタルーニャ州出身の父とスイス・イタリア系の母とともにフランスのパリで育ち、20歳のときにフランス国籍を取得していた。

 EUの規則では、EU市民は他のEU加盟国の選挙でも、選挙権と被選挙権があると定められており、バルセロナに地縁のあるバルス氏が市長選に立候補するのはあり得ないことではない。

 「サッカー王国スペインのリーガ・エスパニョーラに加盟する『FCバルセロナ』で有名なスペインの自治州カタルーニャ州の州都バルセロナ市は、カタルーニャ州独立運動の中心地です。スペイン中央政府がカタルーニャ民族を軽視するような言動を繰り返したことや、カタルーニャ州が税金として支出する金額とスペイン中央政府から還元される金額に大きな隔たりがあることなどの理由で、2010年代に独立運動が盛んになりました。中でも17年のカタルーニャ独立住民投票に関連しては、中央政権と州政府が激しく対立し、その結果、自治権の一時廃止、州首相の事実上の亡命に至ったことから、海外メディアでは『カタルーニャ危機(紛争)』と呼ばれました」(EU在ジャーナリスト)

 バルセロナ市長選にはこうした問題に取り組んできた元活動家の現職、アダ・クラウ市長が立候補しており、これを破るのは簡単ではない。

 「バルス氏は、カタルーニャ自治州の分離・独立を目指した人々に対抗する運動を推進してきました。同氏がフランス内相時代に示した公の秩序に関する強硬姿勢は、伝統的に左派的な傾向のあるバルセロナでは受け入れられない可能性が大です。中道右派のシウダダノス(市民党)以外の政党の支持を得られるかも不透明です」(同)

 背後にスペイン政府が存在しているのだろうか。


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