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LiLICoオススメ「肉食シネマ」 これは男のロマンの1本だ! 『グランドフィナーレ』

掲載日時 2016年04月23日 12時00分 [エンタメ] / 掲載号 2016年4月28日号

LiLICoオススメ「肉食シネマ」 これは男のロマンの1本だ! 『グランドフィナーレ』

 今回ご紹介するのは、実話から生まれた作品。各国主要映画賞44部門にノミネートされ、13部門受賞! パオロ・ソレンティーノ監督の最高傑作。この映画をジャンル分けするのはかなり難しい。なぜならば芸術だからです。
 映画はもちろん、すべて個人の好み。でも芸術というのは心の底からの興味がなくても“見るべきもの”だと思うんです。

 映し出されるのは、フレームごとに考え抜いた映像美。たびたびスクリーンに映るシーンは、切り取って写真として壁に貼りたいと思うほど。この美しい風景は、スイス、ヴェネチア、ロンドンとローマで撮影が行われました。
 特に大半の舞台となるアルプス山脈のふもとにあるホテルが魅力的。さらに、信じられない大物役者の斬新なキャスティング。マイケル・ケイン、ハーヴェイ・カイテル、レイチェル・ワイズ、そしてジェーン・フォンダ! それぞれの人生の見方が面白い。
 細かいところを挙げたらキリがないけど、映像美で見るならば、プールに入ってる老人や、窓越しでダンスする女性までもアートに感じてしまいます。

 仕事や過去の栄光、それらが邪魔する気持ち。娘との付き合い方、老いていく自分との葛藤…。一番分かりやすくて好きだったのは、マイケル・ケイン演じるフレッド・バリンジャーが娘レナ(ワイズ)とやりとりするところ。娘は子どもの頃に思っていたことを父親にぶちまける。一度もハグしてくれなかったこと、いつも仕事の方が大事だと言ってたことを。レナと母親にとっての爆弾告白もあったけど、後に2人が笑い合うシーンは実にキュート。この親子がとても素敵に見えました。
 時にはユーモラスに描かれる主人公のフレッドと親友のミック(カイテル)。尿の出が悪くなった話をしたり、無言で食事をするカップルが“今日言葉を交わすか”お金を賭けたり、美人が現れると分かりやすくウットリしたりと、かなり人生を素直に楽しんでます。
 印象に残ったのは“親友とはいい会話しかしない”ミック。だからフレッドの苦労なんて知らなかったみたい。でもラスト近くになると、ジェーン・フォンダ演じる大物女優のブレンダが登場! ミックとのやりとりが最高です。
 最後の最後まで心の芯から震えました。

画像提供元:(C)2015 INDIGO FILM, BARBARY FILMS, PATHE' PRODUCTION, FRANCE 2 CINE'MA, NUMBER 9 FILMS, C -FILMS, FILM4

LiLiCo映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS「大様のブランチ」「水曜プレミア」、CX「ノンストップ」などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。グランドフィナーレ
監督/パオロ・ソレンティーノ 出演/マイケル・ケイン、ハーヴェイ・カイテル、レイチェル・ワイズ、ポール・ダノ 配給/GAGA4月16日(土)新宿バルト9、シネスイッチ銀座、Bunkamuraル・シネマ、シネ・リーブル池袋ほか全国順次ロードショー。
 世界的にその名を知られる英国人音楽家・フレッド(マイケル・ケイン)。今では作曲も指揮も引退し、ハリウッドのスターやセレブが宿泊するアルプスの高級ホテルで優雅なバカンスを送っている。長年の親友で映画監督のミック(ハーヴェイ・カイテル)も一緒だが、現役にこだわり続ける彼は、若いスタッフたちと新作の構想に没頭中だ。そんな中、英国女王から出演依頼が舞い込むが、なぜか頑なに断るフレッド。その理由は、娘のレナ(レイチェル・ワイズ)にも隠している妻とのある秘密にあった。

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