千葉ロッテ“163キロ右腕”佐々木朗希獲得で前澤氏が買収再意欲

スポーツ・2019/10/29 18:00 / 掲載号 2019年11月7日号

 昨年末、「いったん断念する」と千葉ロッテマリーンズの買収から撤退したZOZO前経営者の前澤友作氏だが、“令和の怪物”佐々木朗希の入団で「再トライ」!? 会社売却でヤフーから得た4000億円を懐に持ち、さらに孫正義氏の支援も取り付け、リベンジへ本腰を上げている――。

 近年のドラフト会議といえば、ダルビッシュ有や大谷翔平、清宮幸太郎を獲得した日本ハムの独壇場だったが、今は「鬼引き」の千葉ロッテ。今年も、最速163キロの“令和の怪物”大船渡高(岩手)の佐々木を果敢に1位指名。日本ハム、ロッテ、楽天、西武の4球団と競合したが、井口資仁監督が拳を突き上げ、交渉権を獲得した。

 これでロッテは、2015年の平沢大河(仙台育英)を皮切りに、佐々木千隼(桜美林大)、安田尚憲(履正社)、藤原恭大(大阪桐蔭)、佐々木と5年連続でくじ引きを引き当て、着々と戦力を整えている。実は、その瞬間を誰より喜んだのが、マリーンズ獲得に強い意欲を燃やす前澤氏なのだ。

 「昨年7月、ツイッターで『プロ野球球団が持ちたい』とアドバルーンを上げたのが始まりでした。この時は球団名こそ明かしませんでしたが、前澤氏は千葉県鎌ケ谷市出身で、ZOZOの本社は千葉市。しかも同社は千葉マリンスタジアムの命名権を保有し、『ZOZOマリンスタジアム』と名付けています。女優の剛力彩芽と生活すると思われる100億円豪邸も千葉市内に建設中。これらのことを考えれば、ターゲットが千葉ロッテであることは明らかでした」(大手紙記者)

 ネット上では「200億円」の買収値が囁かれ、ファンも気鋭の実業家による千葉ロッテ買収に期待を寄せた。しかし、金の力を背景にした敵対的買収にロッテは強く反発。協議する前に、答えは「NO」。結局、前澤氏は昨年12月、「近々でのプロ野球買収はいったん断念する事にした」とツイッターで表明した。

 「今回は努力と勉強不足だった。夢は夢として諦めず持ち続けたい」と捲土重来を書き綴った。その言葉通り、この1カ月で前澤氏を取り巻く環境は一変、再トライが始まった。

「9月21日にファッション通販大手『ZOZO』をヤフーに売却。所有する同社の37%の株式を手放し、4000億円規模の売却益を手にしました。その翌日、ゼロから事業を作りたいと、ただちに新会社『スタートトゥデイ』(ZOZOの前社名と同じ)を立ち上げましたが、新規事業の柱の1つが千葉ロッテの経営参画のようです」(前同)

 将来のマリーンズの株式上場を視野に入れながら、緩やかに球団株を買い増し、合意の上で球団を譲受。前回の球団買収の失敗を教訓に“友好的買収”に戦略を転換させたのだ。

 「毎年のように球団買収が囁かれている千葉ロッテですが、前澤氏の200億円オファーは超破格。DeNAがTBSからベイスターズを買収した際は、球団株68%の取得に65億円、日本野球機構に支払う預かり保証金が30億円の、合わせて総額95億円。“令和の怪物”をゲットしたことで、球団の評価額はさらにアップしましたが、それが前澤氏には追い風になっているのです」(大手広告代理店)

 棚からぼたもちの4000億円がある前澤氏に取って、2000億円程度あった借金をチャラにしても、懐事情は余裕十分。2023年に予定している月旅行の費用750億円に比べれば、千葉ロッテ買収など、はるかに安い買い物だ。いずれは戻る預かり保証金30億円を上乗せしてでも、成就させる考えだという。

 さらに、前澤氏のロッテ買収は、メジャーを目指す佐々木にとっても好都合だ。

 高校卒業後にアメリカに音楽留学した前澤氏は、米国にもネットワークを持つ。ロッテの井口資仁監督は福岡ダイエーホークスからメジャーへ渡り、シカゴ・ホワイトソックス、フィラデルフィア・フィリーズで2度の世界一を経験。その後、千葉ロッテで日本球界復帰を果たした。つまり、2人ともフロンティア精神を持ち合わせている。

 「大船渡高校の国保陽平監督は、地元の進学校・盛岡一高から筑波大に進み、卒業後に米独立リーグでプレーした経験を持つ変わり種教師。佐々木には早くからメジャー挑戦を勧め、肩の消耗を極力防いできた。夏の岩手大会決勝で登板させずに甲子園こそ逃したが、これは想定内。プロ入り後はメジャー経験もある吉井理人投手コーチが預かる。唯一の心配は、興行面を優先し佐々木の“完成前”に登板させることだが、前澤マネーが入れば、じっくり育てることができる」(スポーツ紙デスク)

 10月24日からは、日本で初開催となる米ゴルフツアー「ZOZO選手権」が千葉・習志野CCで開かれ、タイガー・ウッズが13年ぶりに日本でラウンドする。賞金総額約11億円、優勝賞金約2億円。この米ツアーは6年契約で、ZOZOは既に契約金も支払い済み。その旗振り役を務めた人物こそ前澤氏で、ヤフーの親会社であるソフトバンクの意向もあるが、前澤氏の「スタートトゥデイ社」が冠スポンサーを引き継ぐ可能性もある。

 「前澤氏の後ろ盾になっているのは、ホークスのオーナーでもあるソフトバンクグループの孫正義会長。ZOZOの売却、私生活も含め、あらゆることを相談している間柄。新会社の立ち上げでバックボーンが希薄になったが、孫会長が支援を約束していることで今後も仕事は進めやすい。米ゴルフツアー開催を実績に、球団買収に繋げたいのだろう」(同)

 ロッテに1位指名された佐々木は「浜風が強いので、風に気をつけたい」と話した。その「浜風」こそ前澤旋風。しっかり、球団の実情を掌握している。

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