男の酒道VOL.98 ~函館からの何かしら~ イチローズモルト編
ドリンク・2022-12-29 20:43寒いっす。天然のヒートテック(脂肪)を沢山身に着けているはずなのに寒いっす。
函館の街中は静かなもんで、師走のバタバタした感じも薄いなぁ…とか思います。
当店は年末年始、お休み無く働こうかと思っております。
さて、今回ご紹介いたしますのは《イチローズモルト》です。
まぁ、世界的にも有名な蒸留所ですので今更語る事も少ないとは思いますが、頑張って書いていきましょう。
元々は寛永2年(1625年)より続く《肥土酒造本家》として日本酒を製造。
1941年に《東亜酒造》を設立。1946年にウイスキーの製造免許を所得。
1948年から輸入原酒をブレンドし販売開始(ゴールデンホース)。
1962年(昭和37年)よりグレーンウイスキーの製造を開始。
1980年にポットスティルを導入しモルトの製造を始める(羽生蒸留所)。
その後なんやかんやで2000年に製造休止する事に。。。
その後、2003年に東亜酒造は《日の出通商》に売却する事になり、それまで熟成されていたモルトたちは引き取り手が無ければ廃棄されると決定が・・・
さて、ここから《肥土伊知郎》氏の世界を巻き込む物語が始まる事となります。
《肥土伊知郎》氏は東亜酒造創立者の孫です。
東京農業大学で醸造学を専攻し卒業後は《サントリー》に入社いたします。
暫くして東亜酒造は経営不振に陥り、1994年に伊知郎さんは同社を支える為に実家に戻る事に。
しかし2000年に東亜酒造は経営破綻し民事再生法を適用する事に。
翌年に父より経営を譲り受け社長に就任。
2003年に日の出通商に事業売却する事になりました。
ここで先程の話しに繋がるのです。
さて、約400樽あったモルト達を救ってくれたのが福島にある《笹の川酒造》。
主に日本酒を造っている所です。
実はウイスキーもやっていて、《チェリーウイスキー》はここの商品です。
2004年にこちらで請け負ったモルトは翌年2005年から《イチローズモルト》として販売されることになりました。
ある時に、WWA(ワールド ウイスキー アワード)で日本のウイスキーが選ばれた!とのニュースが流れました。
サントリーかな?ニッカかな?なんて思っていたら何と《イチローズモルト》だと。
その時は名前は知っていても飲んだ事が無い訳で、とりあえず速攻《トゥー オブ クラブス》を入手いたしました。 これが受賞したモルトです。
そしてここから《MIZUNARA》の伝説が語り継がれることになるのです。。。
正直ビックリしましたw 日本でもこんなに個性的なモルトが作れるんだ!と感心。
デザインも気に入ったので他の物も計10本購入いたしましたw
それにしても、ここまでなるとは。。。
何だか値段が凄い事になってますのでそれも驚きですが、コレクターズアイテムになってしまっているのは複雑な思いです・・・。
わたくしも一人のウイスキーラヴァーとして尊敬している肥土氏は、現在のジャパニーズウイスキー業界に対してこんな言葉を言ってます。
「夢とロマンをもって、品質重視で参入してくる仲間は大歓迎です。だけど短期的視野と利益追求の蒸溜所は論外」
もしかしたら耳が痛い方々も居られるでしょうが、私も同意見です。
世界に誇れる蒸留所です。
チャンスがあったら飲んでみて下さいませ!
本日も皆様が素敵なお酒に出会えますように。
監修
Bar ADDICT
〒040-0035 北海道函館市松風町20‐1
ライジングビル2F
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