男の酒道VOL.145 ~函館からの何かしら~ロイヤルハウスホールド編
ドリンク・2023-05-28 20:56今度はインフルエンザが流行っているそうですが、結局のところ《うがい&手洗い》で大分賄えてしまうと言う・・・。
さて、今回紹介致しますのは《ROYAL HOUSEHOLD/ロイヤルハウスホールド》です。
このお酒に文句を言っている人を私は見たことが有りません。
まさに別格!
今更感もありますが、今一度掘っていきましょう。
このお酒が世に出たのは《1897年》の事。
当時の英国皇太子である《アルバート・エドワード》は大のウイスキー好きでした。*後のエドワード7世。
ウイスキー好きなら誰でも「自分専用のブレンデッドウイスキーが欲しいんじゃ!」となりますね? 解りますwww
エドワード陛下もまさにこの状態になりましてw本当に作らせてしまいます。
皇太子から依頼を受けたのは、当時ウイスキーのブレンデッド技術において高い評価を受けていた《ジェームス・ブキャナン社》でした。
ブキャナン社は、現在でも有名な「ブラック&ホワイト」のブランドを手掛ける会社です。
このオーダーを受けたブキャナン社は、皇太子用に数種類のブレンデッドウイスキーをつくり、納品することに。
その中から皇太子が選んだものが後に「ザ・ロイヤルハウスホールド」と呼ばれるウイスキーとなります。
こうして作られたブキャナン社製の特別ブレンデッドウイスキーは1898年に皇太子御用達のロイヤル・ワラントの称号を授かり、1901年に皇太子が《国王エドワード7世》に即位してからは「王室用」に切り替わりました。
実は、このウイスキーに「ロイヤルハウスホールド」の名前をつけたのはエドワード7世ではなく彼の弟、ヨーク公(後の英国王ジョージ5世)だったりします。
時は1901年の事。
ヨーク公が世界一周旅行へ出る際、唯一船に積み込まれたウイスキーが、このブキャナン社製のもので、このタイミングでヨーク公により「ザ・ロイヤル ハウスホールド」というブランド名が付けられたそうで御座います。
しかし「ザ・ロイヤルハウスホールド」が英国王室のロイヤル・ワラント(王室御用達)を授かっていたのは1993年までの事。
ハウスホールドからザが消えた!と、当時業界がざわついたのを覚えております。
翌年(1994年)に「ラフロイグ」がチャールズ皇太子からロイヤルワラントを授かっていることも何かしら関係あるのかなと。。。
これを機にブランド名につけられていた王室をあらわす「THE」が無くなり、ラベルに記されていた王室の紋章もブキャナン社のマークへと変更されました。
更にロイヤル・ワラントから外れた事で、使われる蒸溜所も変わってしまいます。
現在は《バルヴェニー》をキーモルトに作られてますが、以前は《グレントファース》や《グレンダラン》がキーモルトだったそうです。
*バルヴェニーは1892年創業
以前は世界で3か所でしか入手できないウイスキーでした。
1・バッキンガム宮殿、2・ハリス島のローデルホテルのバー、3・日本
日本で売られていたのは、《昭和天皇》が皇太子時代(1920年代)にイギリスへ訪問した際に、国王からプレゼントされたのを切っ掛けに英国王室から特別許可が出て日本でだけ販売が許可される事となったのです。
値段は中々致しますが、ちゃんとしたバーなら必ず置いてある一品です。
もしかしたら《ザ》が付いているボトルがあるかも!
すいません。うちは全部飲んじゃいましたw
本日も皆様が素敵なお酒に出会えますように。
監修
Bar ADDICT
〒040-0035 北海道函館市松風町20‐1
ライジングビル2F
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