男の酒道VOL.149 ~函館からの何かしら~グレングラント編
ドリンク・2023-06-22 20:48暑いんだか寒いんだかよく解らない日が続いておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回は《GLEN GRANT/グレングラント》を紹介したいと思います。
今までも文章中にちょこちょこ出ては来ているのですが、このお酒の歴史と特徴なんかを書いていこうと思います。
創業は1840年。
兄の「ジェームズ・グラント」と弟の「ジョン・グラント」のグラント兄弟が創業した蒸留所です。
1898年にグレングラント№2蒸留所を開業。
*1902年に閉鎖。1965年再開。2003年閉鎖。2010年解体。
1953年に《ザ・グレンリヴェット》のジョージ&J.G.スミスと合併。
1972年に《ロングモーン》もグループに参加。
1977年から、カナダのシーグラム・カンパニーが所有。
2001年にペルノ・リカール社に。
2006年からカンパリ社が所有。現在へ至る。
まぁ、大きい流れだとこんな感じです。
ここの蒸留所を語るポイントとして挙げられるのは、グラント一族はどうやら優秀な家系と言う事です。
創業者のジェームズは政治家で、スペイサイドに鉄道を引きました。
この功績によりその後貴族になりますし、弟のジョンは穀物商を営みながら近くのアベラワー蒸留所で蒸留技術を学んでおりました。
さて、ジェームズの息子の代のお話ですが、この息子が凄かった!
名前は父と同じジェームズ。
同じ名前であることは、まぁ珍しい話しではありません。
この息子ジェームズさんは結婚3回。子供が8人と中々素晴らしい実績がw
グレングラント蒸留所のシンボルでもある細長い首を持つ蒸留器のデザインは息子ジェームズが致しました。
これにより軽やかでフルーティーなモルトウイスキーが生まれていると言われてます。
さて、先程、歴史の中で書いてある《グレングラント№2蒸留所》ですが、息子ジェームズの時代に作られております。
この№2蒸留所とは《キャパドニック》の事です。
詳しくは第78回で書いておりますので是非ご覧くださいませ。
こちらのグレングラントですが、イタリアで大人気なのはウイスキーラバーの間では有名なお話。
実はスコットランド以外で初めて売り出されたモルトウイスキーが、このグレングラントだったりします(1900年辺り)。
ん?世界初はフィディックじゃないの?という人も居ると思いますが、こっちのほうが全然先です。
このグレングラントは熟成年数や樽の種類で、がらりとキャラクターを変えてきます。
ブラインドテイスティングやったら、まず当たりませんwww
それぞれの出来が良く、逆にこれがグレングラントだ!とならないので難しい蒸留所でもあります。
なので、取りあえず知らないグレングラントが有ったら飲む!
これを心掛けて頂ければと思います。
たまに混同されている方がいらっしゃいますが、ブレンデッドウイスキーの《GRANT'S》は全く関係ありません。あしからず。
本日も皆様が素敵なお酒に出会えますように。
監修
Bar ADDICT
〒040-0035 北海道函館市松風町20‐1
ライジングビル2F
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