男の酒道VOL.142~函館からの何かしら~J.W.ダント編
ドリンク・2023-05-22 20:53一気に暑くなりました!
この時期になると函館はガスがかかります。
たまにではありますが、霧が街中に発生し、何だか怪しい雰囲気になります。
さて、今回はバーボンをご紹介致します。
そのバーボンとは《J.W.ダント》です。
割と昔から輸入されているバーボンなので50代以上の方には認知度が高かったりします。現在では終売になったようで・・・。
こちらの写真の物はチャコールパーフェクティドです。
1836年に《ジョセフ・ワシントン・ダント》によって生み出されました。
ダントは、優れたバーボンの製法である《サワー・マッシュ方式》の発明者ともいわれています。
サワーマッシュって御存じでしょうか?
~サワーマッシュとは、前回蒸溜のさいに生じた蒸溜残液(アルコール分が取り除かれた残液、スティレージュと呼ぶ)の上澄みを、新しく糖化させようとするコーンなどの仕込み水に25%程度加える方法。~
・・・解り辛いですねw
えー、蒸留した時にアルコール分の無い液体が蒸留器の中に残ります。
これを《スティレージ》とか《バックセット》と呼びます。
このスティレージの上澄みを《仕込み水/ライムストーンウォーター》と共に、次の《ウオッシュ》を作る際に3割程度添加する工程の事です。
この添加を0~25%にすると《スローマッシュ》と言うそうです。
ほとんど聞きませんけど。。。
ウオッシュとは1次発酵させた液体の事。これを蒸留して《蒸留酒》にします。
ライムストーンウォーターは硬度も高く(300~350)、pHがアルカリ性に寄っており、そのままでは糖化・発酵がスムーズに進まないため、サワーマッシュ製法により糖化条件がよくなり、酵母の栄養が補給され、製品の香味が増すといわれています。
また、酵母を培養するさい、はじめに乳酸菌を生育させてPHを下げ、雑菌の繁殖をおさえることがあるのですが、これもサワー・マッシュ法式と呼ばれています。
ちなみに、《マッシュ》とはコーンなどに水を加えてトロトロになった状態のものをさします。
マッシュ・ポテトのマッシュも、同じ意味でございます。
さて、このサワーマッシュ製法ですが、元祖を謳っているバーボンがあります。
それが・・・《オールドクロウ》です。
オールドクロウは、《Dr.ジェイムズ・クロウ》により作られた1835年に生まれたウイスキーであり、医学的なアプローチからウイスキーの製造に成功したバーボンウイスキーの先駆者です。
松田優作が好きだったバーボンとしても有名です。
ちなみにラベルに描かれているカラスは後付けですwww
さて、ダントは1836年、クロウは1835年。
・・・と言う事はクロウの方が先じゃないの?となります。
実際多くの方がこちらの方を先駆者として扱っておりますが、発売当初から厳重に管理されていた挙句、当時のレシピが無いそうです。。。
実は、この二つですが、裁判になりましたが決着が付かなかったそうで、結局は、
《元祖》vs《本家》みたいな事になったようで、現在では有耶無耶になっておりますwww
まぁ、美味けりゃいいんですよw
多少の蘊蓄になっていれば幸いです。
本日も皆様が素敵なお酒に出会えますように。
監修
Bar ADDICT
〒040-0035 北海道函館市松風町20‐1
ライジングビル2F
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