男の酒道VOL.87 ~函館からの何かしら~ ベンリネス編
ドリンク・2022-11-27 20:35ワールドカップ盛り上がってますね!
サウジアラビアがアルゼンチンに勝ったし我が日本も、何とドイツに勝ちました!!
この2試合は今回のワールドカップを象徴する1戦として語り継がれる事でしょう。
ジャイアントキリングって良いわ~w
このまま語っても良いのですが、お酒の話しをしていきましょう。
さて、今回紹介致しますのは《BENRINNES/ベンリネス》です。
ジャンルとしてはスコッチのシングルモルト。地区はスペイサイドです。
蒸留所の設立は1826年でもう少しで200年の大ベテランです。
現在の所有者はディアジオで、年間350万リットルの生産量を誇ります。
マニア以外にはあまり有名な蒸留所ではないですが、J&Bやジョニーウォーカーのキーモルトとしてガッチリ使用されております。
一般的にスペイサイドのモルトは可憐で優雅なイメージのお酒が多いのですが、《ディアジオの異端児》と呼ばれる蒸留所が3か所ございます。
《モートラック》・《ダルユーイン》・《ベンリネス》です。
ベンリネスでは、ナッツを思わせるヘビーな酒質を得るために、現在一般的となっている清澄麦汁ではなく、あえて濁った麦汁を抽出しています。
発酵も50時間と短く(乳酸発酵をさせない)、蒸留も銅とのコンタクトを少なくするために、短い時間で済ますようです。
これは俗にサルファリー(硫黄臭)とよばれる物をわざわざ含ませる為の処置だそうです。・・・が硫黄って無臭なんですよねw
あの匂いは《硫化水素》の匂いです。知識として入れておいて下さい。
更にミドルカットの下限を58%に設定。癖の強い事で有名なアイラ島の蒸留所でも最低は60%。平均は65%くらいであることを考えると、変態臭が。。。
*(ミドルカットの下限が低いほど、サルファリーでオイリ―なニューポットになります)
蒸留所は、山の北の麓にあり、標高213メートルの位置にあるそうです。
蒸留器(スチル)は6基あり、初留釜(ウォッシュスチル)1基に再留釜(スピリッツスチル)2基を組み合わせ、いわゆる2回半蒸留を行うなど特徴的です。
1966~2009年まで一部3回蒸留を採り入れていました。
現在は通常の2回蒸留となっています。
仕込水はベンリネス山から流れ出す、スカーラン川とローワンツリー川の水を利用しています。
生産量の99%がジョニーウォーカーやJ&Bの原酒用(ブレンデッドウイスキーのキーモルト)で、シングルモルトとして出回る量はごくわずかしかありません。
知る人ぞ知る通好みのウイスキーで、モルトファンには人気があります。レアモルトシリーズとして「花と動物シリーズ」の15年物しかオフィシャルボトルは発売されておらず、シングルモルトファンでも意外に飲んで無い人も多いようです。
歴史
1826年: ピーター・マッケンジーによりLyne of Ruthrie 蒸留所が設立
1829年: 蒸溜所が洪水により破壊。数マイル離れた場所にジョン・イネスによって新しい蒸溜所が建設された
1834年: イネスは5年で倒産。事業はウィリアム・スミス&カンパニーに売却され、蒸留所名も現在の「ベンリンズ(ベンリネス)」に変更される。
1864年: ウィリアム・スミス社が倒産。デビッド・エドワードに買収される。
1896年: 大規模な火災が発生したため、建物の徹底的な改修を余儀なくされる。
1922年: ジョン・デュワー&サンズ社がこの蒸留所を購入し、その3年後にDCLの傘下に入る
1955年: DCLの下、Benrinnesを完全に改装する。
1966年: ポットスティルを3基から6基に拡張。
1974年: 蒸留所で部分的に3回蒸留を開始。
1991年: 初のオフィシャル物として《花と動物シリーズ》から15年をリリース。
2007年: 3回蒸留をやめ、2つのウォッシュ蒸留器(初留釜)と4つのスピリット蒸留器(再留釜)を使った伝統的な2回蒸留に変更する。
と、まぁこんな感じです。200年もやってると色々ありますね。
ぜひ一度はお試しくださいませ。
本日も皆様が素敵なお酒に出会えますように。
監修
Bar ADDICT
〒040-0035 北海道函館市松風町20‐1
ライジングビル2F
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