都知事選前に蒸し返された小池知事の“黒歴史”

政治・2020-05-15 21:30

自民党が15日、東京都知事選(6月18日告示、7月5日投開票)について、独自候補の擁立を断念する方針を固めたことを、各メディアが報じた。

報道をまとめると、小池百合子知事(67)の再選に向け支援する方向。新型コロナウイルスへの対応で小池氏の評価が上がる中、政権与党として小池氏との対立を避けるため、独自候補の擁立を見送ったという。

「小池都知事は連日、コロナの感染者数の発表などでメディアに露出。おまけに、少し前には自ら出演する都のCMが連日テレビで放送され、すでに選挙運動をしているようなもの。都知事選には40億円以上の予算がかかり、おまけに、投票所が密になることは避けられない。都知事選は延期すべきだろう」(都政担当記者)

16年に都知事選で勝利した小池知事だが、コロナ対応まで目立った実績はなく、ここに来てまるで“神風”が吹いたような状況。

ところが、発売中の「週刊文春」(文芸春秋)によると、今年3月中、「築地と豊洲」(都政新報社)なるタイトルの本が発売。著者の澤章氏は中央卸売市場の元ナンバー2で19年3月に都庁を退職した人物で、豊洲市場移転をめぐる小池知事の迷走ぶりが克明につづられているという。

そのため、知事側近から都の職員には同書を「買うな」というお達しが。さらに、都庁の記者クラブの記者に対して、書評などで取り上げないよう指示を出ているというのだ。

いわば小池知事の“黒歴史”だが、同書が広まったところで、今さら来るべき都知事選での当選確実が揺らぐことはなさそうだ。

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