男の酒道VOL.133~函館からの何かしら~ニッカ カフェモルト編
ドリンク・2023-04-13 20:48なんかそろそろ桜が咲くみたいですよ。例年よりも早いとか。。。
きっとゴールデンウィークには散っている事でしょう。
今回ご紹介いたしますのは、ニッカの《COFFEY MALT / カフェモルト》です。
ニッカの方でカフェと読んでいるのでそれで通しますが、《コフィ》と読んだ方が素直だと思ってます。
まぁ、意味が通じれば良いのかな?
さて、こちらのお酒はニッカの《宮城峡》にあります《COFFEY STILL/カフェスティル》で作られております。
こちらは《連続式蒸留釜》で、しかも古いタイプの釜でございます。
ブレンデッドウイスキーを作る時に《グレーンウイスキー》が大量に必要になる事は以前にも書きましたが、ニッカの創業者である《竹鶴政孝》もグレーンウイスキーの大切さを当然理解しており、また、強いこだわりを持っていました。
カフェスチルは、アイルランド人のイーニアス・カフェ(イーニアス・コフィー)が1830年頃に発明し、特許(パテント)を取得した連続式蒸溜機の一種です。
そこから《パテントスティル》と呼ぶようになったのは、バー関係者の基礎知識ですが、たまーに解ってない人が居てビックリしますけどもwww
連続式蒸溜機が最初に登場したのは1826年で、考案したのはスコットランドの《ロバート・スタイン》氏ですが、それを改良し実用化したのがカフェ氏です。
ちなみにカフェ氏はアイルランド人です。
後に世紀の大発明とまで言われたパテントスティルですが、アイルランドで普及する事はありませんでした。*ポットスティルの大型化に向かった。
さて、竹鶴氏が残した《竹鶴ノート》は有名ですが、実はもう1冊あるのを皆様御存じでしょうか?
こちらは《エルギンノート》と呼ばれています。*エルギンはスコットランドの街の名。竹鶴氏がウイスキー造りの修行と勉強をした街。
このエルギンノートですが、実は2冊在り、その一つにはグレーンウイスキーの事が書いてあります。
蒸留所の名前は《ボーネス蒸留所》と言いまして、1813年にモルトの蒸留所として開業し、1923年に閉鎖となりました。
こちら、1876年からはグレーンウイスキー専門の蒸留所となっていたようです。
竹鶴氏は1919年にこちらの蒸留所で3週間学びました。
この後に《リタ》と出会うのですよ。
理想のウイスキー作りの為に1962年にスコットランドのグラスゴーに自ら出向いて発注し、翌年の1963年には、当時既に旧式となっていたカフェスティルが日本に初上陸致しました。
・・・が、実際に設置されたのは朝日麦酒(現アサヒビール)の子会社である朝日酒造の西宮工場で、正式にニッカウヰスキーの物となったのは1969年。
導入当初は資金繰りなどの理由から朝日麦酒の援助を受けていて、朝日酒造で造ったグレーンウイスキーを買い取っていました。
1999年になって、ようやく《宮城峡蒸溜所》に移転、現在に至ります。
今回の《カフェモルト》はシングルモルトではなくグレーンウイスキーの扱いになります。
材料は大麦麦芽100%ですがパテントスティルで蒸留しているからですね。
カフェスティル自体が少ないので是非お試し頂ければと思います。
本日も皆様が素敵なお酒に出会えますように。
監修
Bar ADDICT
〒040-0035 北海道函館市松風町20‐1
ライジングビル2F
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