五輪開催かそれとも中止か?

政治・2021-01-18 18:38
五輪開催かそれとも中止か?
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全世界が新しい疫病に苦しめられている中、世界的祭典である東京五輪を中止しようという話を政界から、まったく聞こえてこない。聞こえてくるのは「ウイルスとの戦いに打ち克つ証を刻んでいきたい」と、言ったのは小池百合子都知事。

東京オリパラ組織委員の森喜朗会長は「あくまで進めていく」

菅義偉首相は、ワクチンの接種がはじまったので「国民の雰囲気も変わってくるのではないか」と、科学的根拠のない希望的観測である。

森会長にしてみれば、人生最後の大仕事として、何がなんでも五輪をやりたいのだろうし、菅首相や小池知事としても、東京五輪を成功させた総理大臣や都知事として歴史に名を刻みたいのかもしれない。

しかしここにきて、IOC元副会長で名誉委員のケバン・ゴスパー氏が、開催に関して、国連に判断を委ねる可能性を指摘。
そのIOCはというと、決定はWHOのガイドに従うと語ったという。どうもIOCも中止か開催かで揺れているようだ。ちなみに昨年の延期決定は3月24日に出ている。

では日本国民はどう考えているかというと。NHKによる世論調査では、約8割の人が「中止」もしくは「延期」と答え、「開催すべき」は16%しかいない。

奇跡的なスピードで新型コロナのワクチンは開発されたが、世界の人々に接種が行き渡るのは、今年中では無理だろう。緊急事態宣言下の日本では、全世界からの外国人を入国停止している。

またコロナの変異種も報告されており、欧米でも感染拡大中なのだ。はたしてこの状況で、例え無観客であるにしても、半年後の7月末に世界中の選手団を安全に迎えられるとは思えない。

日本政府としては、自分から五輪返上を言い出せば、IOCから莫大なペナルティを科せられるというから、うかつには言い出せないのかもしれないが、人の命がかかっているということを忘れてほしくはない。

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