自民党は単独過半数を取れるのか?

政治・2021-10-15 10:00
自民党は単独過半数を取れるのか?
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いよいよ衆議院が解散し総選挙に突入した。わずか一カ月ほど前まで自民党内部では「菅内閣では戦えない。ひょっとしたら総選挙で50~70議席を失うかもしれない」と言われていたが、岸田総理に交代してからは、そういう声も聞かれなくなった。

政治とカネの問題で、何かと批判の的であった甘利明氏が、カネと人事を握る幹事長になったというのが、新政権の足を引っ張るかと思いきや、いまのところそれほどでもない。そのためか、政治評論家の中には「自民党だけで単独過半数を取れる」という人や、「50~70議席減ということはさすがにないが、野党共闘のこともあり、自公で過半数」という声もある。

次の選挙では、全国の小選挙区289議席、比例代表176議席の計465議席を争う。岸田総理は、総裁選直後に「勝敗ラインは与党で過半数(233議席)」と、語っていたが、わずか半月ばかりの短期間で、空気は変化しつつあるようだ。

岸田総理が「新しい資本主義の実現を目指す」とし「分厚い中間層を作って、消費や企業の投資が活性化」と語っているのに対して、立憲民主党の枝野幸男代表は「1億総中流社会の復活」と語っている。「分厚い中間層」「1億総中流社会」は、なんとなく似ている。

有権者がこの似ている部分を、どう評価するかというのも注目したい。有権者が「似ているなら比例は自民」となるのか、あるいは「ながく自民一強が続いたから野党に」となるのか。

立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組は共闘し、与党と対決する姿勢だが、まだおよそ約70選挙区の一本化の調整ができていない。1日も早くこの調整を進めることが、野党には必要だ。

しかし東京8区のれいわの山本太郎氏と、立民の吉田はるみ氏とのゴタゴタを見てもわかるように、調整には手間取りそうだ。投開票日まであと半月。はたしてどうなるか……

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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