選挙とはヤバい人と政党を落とすために行くもの
政治・2021-10-20 18:24選挙があるたびに言われるのが「若者の投票率が低い」ということである。衆議院選挙における20代の投票率は、1967年で66.69%であったのが、前回2017年でが33.85%と、文字通り半減した。
若者に選挙に行かない理由を聞くと「ぼくの一票が世の中を変えるとは思えない」「政治に興味ないしよくわからない」「投票したい候補者や政党がない」といった答えが返ってくる。これは若者に限らず他の世代でも、行かない人は同じような理由であろう。
英国の元首相ウィンストン・チャーチルは、こんな言葉を残している。
「選挙に出るヤツなんて、金儲けをしたいか、目立ちたがりか、ろくでなしばかり。まっとうなヤツは選挙になんかでない」
と語り、続いて
「選挙とは、今の世の中の状況で、ろくでなしの中から誰に税金を分配させたら相対的にマシになりそうか、消去法で選ぶ行為のことだ」
「ろくでなしばかりだから、マシそうな奴を消去法で選ぶしかない」とチャーチルはいう。
政治学の大家丸山眞男は講演で
「政治的選択とは、福沢諭吉の言葉ですが、『悪さ加減の選択』なのです。悪さの程度がすこしでも少ないものを選択するということです」
と語っている。
「悪さの程度がすこしでも少ないものを選択する」というのは、チャーチルの言葉と同じこと。
しかしこれらの言葉では、選挙に行かない人にはあまり響かないかもしれない。ヒット曲「さよなら人類」で有名なバンド、元「たま」のランニングこと、石川浩司さんが、こんなことを言っている。
「選挙は「この人がなったらヤバい」を落とすために行くもの。「応援したい人がいない」は棄権理由にならない」
まさにそうなのだ。選挙はこの人やこの政党が勝ったらヤバい人を落とすために行くもの。
投票したい候補者や政党がなければ、その人や政党以外で少しでもマシな人に入れて、最悪を避けるためにも選挙に行こうじゃないか。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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