提案型がダメだったから以前ダメだったやり方に戻そうとする立民って

政治・2022-08-30 18:25
提案型がダメだったから以前ダメだったやり方に戻そうとする立民って
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立憲民主党は参院選の敗戦から党を立て直すために、執行部を刷新した・・・ というより先祖返りしてしまったように見える。代表は泉健太氏のままだが、幹事長に岡田克也氏、政調会長に長妻昭氏、国対委員長に安住淳氏。みなさん民主党政権時代に大臣職を経験した人たちだ。

そしてこれまで幹事長だった西村智奈美氏は代表代行に、代表代行の逢坂誠二氏は留任となり、辞意を明らかにしていた小川淳也政調会長は執行部を追われた。ある意味責任を取ったのは小川氏だけだった。

昨年の衆院選大敗の責任を取って当時代表であった枝野幸男氏が辞任。新代表として泉氏が選ばれ、これまで「立民は何でも反対で批判ばかり」と言われていたため『提案型野党』を高らかに明言した。

そう、立憲民主党は変わろうとしたのだ。

枝野氏は選挙に負けて代表を辞めた。と、すると立民が目指すところは今年夏の参院選での勝利であったはずだ。しかし結果は6議席減らし、比例区での得票数は日本維新の会より100万票以上も少なかった。比例票が目標の半分強しか集まらなかった。

立憲民主党は臨時常任幹事会で、参院選の敗因として、泉代表が掲げた国会対応での『提案型野党」にあるとした。

たしかに立民支持者の中には『提案型』を与党との対決を避け「与党の提案に対して修正案を出している」ように見えたという。それ以上に国民の多くが、立民が何を提案したのかさえよくわからないまま参院選に突入し、敗れた。泉代表の『提案型』は失敗したのだ。

新たに幹事長になった岡田克也氏は「批判は野党の使命」と述べ、「追及を提案より重視する」とした。これは元の立憲民主党を元に戻すという宣言である。

結局、立憲民主党は変われなかった。

しかしもし「批判・追及を提案より重視する」が、枝野代表時代の『何でも反対、いつまでも追及』に戻るということだとしたら、それがダメだったから昨年の衆院選で大敗し、新方向の『提案型』になったはずなのだ。

つまり「今回のやり方はダメだったから、以前のダメだったやり方に戻そう」という、どうにもおかしな方向にこの政党は進もうとしているように見える。

またいまや、立憲民主党最大のライバルとなった日本維新の会だが、こちらは新代表に馬場伸幸氏が選ばれた。馬場新代表は「来年4月に行われる予定の『統一地方選』で地方議員を今の1.5倍である600人にすることが目標。これが達成できなければ辞任する。それが達成できれば、2025年に行われるであろう衆議院選挙の目標は野党第1党」と、具体的な目標を公言している。

はたして新体制となった立憲民主党の今後はどうなっていくのだろう?

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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