男の酒道VOL.58 ~函館からの何かしら~赤酒編

ドリンク・2022-08-28 20:20
男の酒道VOL.58 ~函館からの何かしら~赤酒編
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徐々に秋の気配がしてきましたね。お店の周りでも結構虫の音が聞こえてきます。

皆様いかがお過ごしでしょうか?男の酒道執筆者の大野です。

職業柄色々と調べものが多いのですが、先日《酒税法》について調べておりました。

Vol.54,55の禁酒法の時ですね。
その中で気になるワードがありました。それが《赤酒》です。

調べたからには披露したいw では、しばしお付き合いくださいませ。

赤酒(あかざけ)とは、熊本県で生産されている《灰持酒/あくもちざけ》で濃厚な赤褐色であることから、こう呼ばれおります。

製法は現在の醸造技術と比べ、原始的で独特の風味(灰臭、甘み、粘度、発酵臭等)が強く残ってます。

一方、清酒と比べて同量の白米からの醸造可能な量が少なく、能率的な清酒が生産量を伸ばし、旧来型で粘重な赤酒の需要は後退し、販路の維持にも苦慮したそうです。

さらに戦時中には米穀の逼迫により、一定の原料米からなるべく多くの清酒を醸造する必要から、赤酒の醸造は禁止されました。

戦後、神職(お屠蘇に使う)などからの要望を受けて生産が再開されましたが、戦前に15あった蔵元は、現在では【瑞鷹】と【千代の園酒造】の2つだけが製造しています。

もう少し詳しく赤酒について説明します。

製法は、原材料にもち米を加え、水の量を5割近くまで減らして仕込み、終盤に大麦麦芽も加えて更に発酵させます。
もろみを絞る直前に「白玉灰」と称する木灰に石灰を混ぜたものを加え、清澄させ、火入を行わずに貯蔵します。

火入れを行わないのと灰を投入するのが清酒との大きな違いになっております。

赤酒の主な使われ方として、昔は冠婚葬祭の時に必ず飲まれたそうで、県民の嗜好が赤酒から清酒その他に移行したこともあり、日常的に飲まれる機会は減ったようですが、正月の屠蘇に使用されることが多いようです。

また、料理用に改良が加えられた赤酒も製造・販売されており、プロの料理人や食品製造業者にも使われていて、甘みと微アルカリによりコク深く、ふっくら柔らかい煮上がりになると指摘されています。

使い方としては味醂の代りに赤酒を使うそうで、割烹や料亭等、こだわりの有る高級和食店等では、まず間違いなく使われているようです。

カクテルのベースとして使う事も提唱されていて、ウィルキンソンのジンジャーエールで割ったものがお勧めされております。

飲んだ感じだと《シェリー》っぽい雰囲気がありますね。

清酒が「フィノ」とか「マンサニーリャ」なんかのドライシェリーで赤酒が「アモンティリャード」とかって感じ。

まぁざっくりした感想ですがw

ネットでも手に入りますしお値段も比較的安いのでご自宅に一本いかがでしょうか? 飲むのが苦手だったら料理に使えば良いんだし。

本日も皆様が素敵なお酒に出会えますように。

監修
Bar ADDICT
〒040-0035 北海道函館市松風町20‐1
ライジングビル2F

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