立憲民主党の選挙直前「お国替え」はいかがなものか?

政治・2021-10-13 18:26
立憲民主党の選挙直前「お国替え」はいかがなものか?
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れいわ新選組の山本太郎氏が、杉並で地道に選挙活動をしていた立憲民主党の吉田はるみ氏の東京8区で立候補するという事態は、地元支持者の猛反発で山本太郎氏が降りることで、一応の決着となった。

ところがこんどは東京4区(大田区)で活動していた井戸まさえ氏が、東京15区(江東区)にお国替えとなった。東京4区の井戸まさえ氏も東京8区の吉田はるみ氏も、どちらもそれぞれの区の総支部長である。

井戸まさえ氏は総支部長になってから、毎朝のように駅前に立つ活動をしてきた人物である。当然、地元4区の支持者も戸惑っている。

東京15区は、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業をめぐる汚職事件で、収賄罪などの実刑判決を言い渡され自民党を離党した秋元司被告が出馬の予定で、自民党はまだ立候補者を擁立していないことから、立憲民主党はチャンスと見ているのだろう。

しかし「お国替え」は立候補者当人にとって、必ずしも有利にならない。特に今回は19日に公示、31日投開票とあまり時間がないのだ。となると大急ぎで、選挙の準備をしなければならない。ポスター張りひとつとっても苦労することになる。

お国替え、刺客、落下傘候補と言えば、思い出すのが、小泉郵政選挙だが、この時は自民党の厚いサポートに圧倒的な小泉人気で、候補者たちは連日メディアに取り上げられ、お国替えされた候補者に地元の人たちも声援を送ったものだった。

しかし今回の立憲民主党には、かつての小泉旋風のような風は吹いていない。現在の選挙制度では、まず選挙区の投票者に名前と顔を覚えてもらい、候補者の名前を書いて投票してもらわねばならない。風が吹いていないときのお国替えは不利なのだ。

また、今回立憲民主党からお国替えを要求されたのが、東京4区と8区の総支部長の地位にいる女性であるというのも気になるところ。立憲民主党は女性候補者を軽くみているのだろうか?

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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