ゼレンスキー大統領演説申し入れに与野党の間抜けな反応

政治・2022-03-17 19:31
ゼレンスキー大統領演説申し入れに与野党の間抜けな反応
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いかにも間抜けた言葉であった。ウクライナ政府がゼレンスキー大統領の「オンライン演説を日本の国会で行いたい」と打診が来た時、日本政府は「前例がない」「ビデオプロジェクターやスクリーンがないなど技術的ハードルがある」という意見が出たのだ。

正直、これが先進国の政府なのかと、アゼンとする思いであった。ゼレンスキー大統領は、すでに英国、カナダ、米国でオンライン演説を行っているのだ。ビデオプロジェクターやスクリーンなど、レンタルしてくればいいだけのこと。技術的ハードル? いまどきのプロジェクターはど素人にも扱えるようにできているし、技術者を呼べばいいだけのことだ。

岸田総理は「国会において、ご議論いただき、前向きに対応していただければと、政府の立場からも考えるところ」と、前向きな答えであった。

一方、立憲民主党の泉健太代表は「他国指導者の国会演説は影響が大きいだけに、オンライン技術論で論ずるのは危険。私は日本の国民と国益を守りたい」とツイッターに投稿。さらに
「だから国会演説の前に『首脳会談・共同声明』が絶対条件だ。演説内容もあくまで両国合意の範囲にすべき。それが当然だ」と語り、多くの人から「なに条件つけてんだ。いまはウクライナの平和だろ」と叩かれ炎上。

その後慌てたように、立民の馬淵国対委員長が自民の高木国対委員長と会談。演説を実施することで合意し、泉健太代表は「立憲民主党が(ゼレンスキー大統領の演説に)反対している事実はない」と、つぶやいている。

いまこのときにも、ウクライナで多くの人が戦争に巻き込まれているというのに、日本政府は間抜けた言葉を吐き、野党第一党は国民の空気を読めていない。こんな人たちに国を任せていていいものだろうかと、不安になってしまう。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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