男の酒道VOL.164 ~函館からの何かしら~ 後熟編

ドリンク・2023-10-12 20:56
男の酒道VOL.164 ~函館からの何かしら~ 後熟編
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函館はすっかり涼しくなりました。

涼しいって言うか夜は寒いです。

今回はお酒の紹介と言うよりはお酒の作り方の一部を紹介致します。
タイトルは《後熟・こうじゅく》と致しました。

さて、近年、世界中でウイスキーが大流行しておりますが、1980年代から2000年前半までは、ウイスキー業界は、かなり苦戦していたのを覚えてます。

かなりの数の蒸留所が潰れましたし、それは日本国内においても同じでした。

ウイスキー作りの大事な工程の中で、直接味に直結するのが《樽熟成》。

現在は色々なタイプの熟成方法が試されております。

ざっくり言いますとスコッチウイスキーは元々《シェリー樽》で熟成されており、その後、世界的に物流が盛んになると共に、もったいない精神なのか只のケチなのか《バーボン樽》も使うようになり、味のバリエーションを増やすために《バージンオーク樽》が使われる様になりました。

このスタイルで40年位前まで続いてきました。

スコッチを後追いしているジャパニーズウイスキーもこれに倣う形。

アメリカのバーボンはオークの新樽しか使っちゃいけないのは有名な話しだと思います。

この様にその時代と共に経験と伝統と共に樽熟成の手法は受け継がれ発展していきました。

さて、今回の《後熟》ですが、一般的には《マリッジ》と言います。

フランス語では《マリアージュ》。

本来の意味は《結婚》ですが、《融合・フュージョン》の意味も含まれてます。

ウイスキーやブランデーの原酒を混合した後、風味を安定させるため、しばらく寝かせることです。

日本では、《後熟》や《再貯蔵》と言った表現をします。

ウイスキーの場合、熟成を終えたモルトウイスキーは樽同士ヴァッティングされたり、グレーンウイスキーとブレンディングされたりして、最終工程を迎えます。

その後、しばらくの間、寝かせて(熟成させて)から瓶詰めを行います。

この間の事がマリッジで、モルト同士や、モルトとグレーンが融合し、バランスのよい製品となります。
・・・と、まぁ本来はこんな意味合いなのですが、80年代から実験的に《途中で樽を変える》手法が取られるようになりました。
商品としての先陣を切ったのは《グレンモーレンジ》でした。

私の知る限りでは《ポートウッドフィニッシュ1975》が最初ではないかと。

《〇〇ウッドフィニッシュ》は、その後シリーズ化され、不況に喘ぐウイスキー業界で一世を風靡します。

基本は《ポートウッド》《マディラウッド》《シェリーウッド》の3本。

その後《バーガンディーウッド》や《ソーテルヌウッド》なんかも投入されました。

高級路線で《クラレット ウッドフィニッシュ》や《プレミア グランクリュ ソーテルヌ ウッドフィニッシュ》《コート ド ニュイ ウッドフィニッシュ》という物もありました。

何の樽なのかは名言されていませんが、クラレットは《シャトーラフィットロートシルト》、プレミアグランクリュソーテルヌは《イケム》、コートドニュイは《DRC》だと言われております。

抜栓して直ぐはあんまりピンと来ませんが、その後には物凄く美味しくなったのを覚えております。

今では手に入らないと思いますが何処かで間違って有ったら是非飲んでみて頂きたいです。
絶対高いけどwww

本日も皆様が素敵なお酒に出会えますように。

監修
Bar ADDICT
〒040-0035 北海道函館市松風町20‐1
ライジングビル2F

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