カルト？ ネトウヨ？ 謎の新政党『参政党』とは？

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いま注目を集めている新政党がある。『参政党』という名前の政党で、リーダーは神谷宗幣かみやそうへい）事務局長44歳だ。動画で神谷氏の演説等をみると、優しそうな顔に弁舌もうまい。ただカルトっぽいという人もいるがどうだろう？

まず、神谷氏が経営する「イシキカイカク株式会社」のホームページを見ると、グッズ販売をやっており自身の著書はもちろんDVD『大東亜戦争の真実』1万7600円、単行本『じっくり学ぼう！日本近現代史書籍版4巻セット』6600円など、どうもネット右翼系が喜びそうな品がそろっている。

中にはDVD『イシキカイカク大学第1期～4期』3万円～24万円という高額商品や、なぜか健康食品もある。まあ誰がどのような商売をしようが、法律に反しない限りそれは自由。とはいえ神谷氏の思想はかなり右寄りであるようだ。

さて、参政党のホームページをみると、「３つの重点政策」というものがあり

1.子どもの教育　2.職と健康、環境保全　3.国のまもり

とある。一見するとまともなことばかりで、特に問題はなさそうだ。もっとよくホープページを見てみよう。中には『参政党のワクチン政策』その中には「マスク着用の自由化」「PCR検査の原則廃止」「行動制限の撤廃」「ワクチン政策の是正と救済策」などなど、どうもこの政党は新型コロナワクチンに否定的であるようだ。

さらに参政党について調べてみると、初期メンバーに保守系ユーチューバーのKAZUYA氏や政治アナリストの渡瀬裕哉氏らも参加していたが、すでに脱退しているという。脱退理由は「陰謀論についていけない」というもの。

確かに神谷氏の選挙演説を聴いていると反ワクチン的な発言や反現代医療的な発言は少なくない。「ユダヤ資本の手先」とかも出てくる。参政党共同代表の吉野敏明氏は歯科医師であるらしいのだが、波動治療でコロナを治すのだそうな。ちなみに「波動治療」はニセ医学の典型と言われている。

フジテレビの『ホンマでっか⁉TV』にレギュラー出演をしていた中部大学教授の武田邦彦氏も、今回参政党から出馬する。

武田邦彦氏と言えば、福島原発事故では放射能デマを連発し、2015年に自身のブログで「（放射能汚染のため）あと3年で日本に住めなくなる」などなど、かなりトンデモ発言が多い人で有名な人物だ。

参政党が5月に開催した政治資金パーティーでは、参加料金が一般2万円から。SS席は10万円だったという。この料金で5000人以上を集めたというからすごい。

さてまとめよう。どうも参政党は、かなりの右寄りで反ワクチンや反現代医療、陰謀論も包含している政党のようだ。参政党には、れいわ新選組支持者だった人がかなり移ってきているという話もある。

れいわの山本太郎氏も、過去に原発デマや、反ワクチンなど陰謀論的なことを語っていた人であり、またこちらはかなりの左寄り。右も左も思想が極端になると陰謀論を信じるようになるようだ。

経済成長もなく給料も30年上がらないこの国において、このような極論や陰謀論を可とする政党が大人気なのは必然なのかも知れない。

プロフィール

巨椋修（おぐらおさむ）
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008～2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。