河野太郎はなぜワクチン担当相に任命されたのか?

政治・2021-01-25 17:24
河野太郎はなぜワクチン担当相に任命されたのか?
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河野太郎行革担当相が、新たにワクチン担当相に任命された。本来ならワクチン接種の普及は厚生労働省の仕事のはずだ。なぜ河野太郎氏であったのだろう?

「菅首相が次期首相として河野氏を後継者に決めたのだ」という人もいるが、その線は薄い。政治家という人種は権力の亡者なのだ。世襲議員でもなく、叩き上げで首相まで登ってきた菅義偉という人が、早々に権力を手放すことなど考えないだろう。1分1秒でも内閣総理大臣の椅子にしがみつきたいはずだ。

とはいえ河野太郎という人は、いま国民がもっとも【次期首相になってほしい人】である。マスコミの注目度も高い。ゆえにもっとも首相に近い人物であると言える。

他の首相候補を見てみると、岸田文雄氏も石破茂氏も、国民にも他の議員たちにもイマイチ人気がない。

ゆえに首相の椅子にもっとも近いのが河野太郎氏ということになるのだが…… 菅首相としては、崩壊寸前の政権を何とかして持たせたい。それには東京オリ・パラの成功。その成功のためにもワクチン接種をスムーズに行いたい。

そこで発信力も人気もある河野太郎氏がワクチン接種の責任者になれば、いやでも注目は河野氏に集まる。

ワクチン接種をオリ・パラまでに普及させるのは、すこぶるつきの難事業。成功すればそれでよし。失敗すればその責任は河野氏に。

それにもう一人、オバサマに大人気で【次期首相になってほしい人】にランキング入りしている小泉進次郎氏も、なぜかワクチン接種の調整をサポート役としている。ただしその実力は「?」である。

菅首相としては、この人気政治家二人にワクチン普及を担当させることで、自身への火の粉を少しでも減らし、オリ・パラ後の選挙まで首相の椅子に居座りたい。

例え菅首相が首相継続を諦めたとしても、ワクチン普及が成功し、9月の総選挙でもし、河野氏が首相になれば、菅首相はその後も河野氏に影響力を持てるのだ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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