かつて自民党とコンビであった社民党は消えるのか?

政治・2022-01-20 18:27
かつて自民党とコンビであった社民党は消えるのか?
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14日に行われた社民党の党首選は、福島瑞穂氏の無投票再選で決まった。ただ夏の参院選で有効投票総数の2%以上を獲得しなければ公職選挙法上の政党要件を失うのだ。いま社民党は2%取れるかどうか危うい状況だ。

社民党は旧名の日本社会党時代から、戦後常に野党第一党として、護憲、再軍備反対、安保反対、非武装中立などを主張し与党である自民党と対立してきた党である。

1955年、右派と左派に分裂していた社会党が統一。これに対抗して保守政党であった日本民主党と自由党が保守合同し、自由民主党が誕生。日本は二大政党制になるかと思われたが、そうそうに社会党が、政権奪取をあきらめ“安定の野党第一党”になった。

その後長く、自民党と社会党は、表向きは敵対しつつ、しかし裏では手を組んでコンビとして日本の政治を担ってきた。

戦後米国は、日本の牙を削ぐために憲法9条によって軍隊の放棄をさせた。一方、吉田茂首相は、9条に従って「軽武装、経済重視」の政策を行ったおかげで、日本は朝鮮戦争にもベトナム戦争にも出兵せず、戦争特需と高度成長期を得ることができた。

社会党は安保反対と護憲運動を行い、戦争にあきあきしている国民から一定数の支持を得た。米国にとってソ連に近い社会党が政権をとるのは困るので、自民党に日本再軍備などを言いにくくなり、自民党政権継続を希望するようになる。

社会党は政権をとるつもりはないのだから、米国は日本の二大政党による八百長にしてやられたわけだ。この時代、自民党と社会党は国会前に裏取引をしたり、選挙の時は社会党に裏金を流したりしており、まさにコンビであった。

このコンビは94年、社会・自民・さきがけの連立政権で社会党の村山富市が総理になったのを最後に組まれなくなり、社会党=社民党の衰退となる。

いま、社民党の国会議員は二人だが、もはや時代の役目を終えつつあるのか・・・

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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