これじゃ岸田内閣を改造しても最低支持率は当たり前

政治・2022-08-14 20:48
これじゃ岸田内閣を改造しても最低支持率は当たり前
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マスコミ各社の世論調査によると、これまで安定していた岸田内閣の支持率が急降下中であるという。2020年にはじまったコロナ禍以降、コロナの感染率と内閣支持率に強い関係性があったのだが、この夏の支持率低下はそれ以上に統一教会と自民党の関係が影響を与えているようだ。

岸田総理は統一教会と新閣僚との関係において「自ら点検し見直すことを求める」と、積極的な姿勢を示していない。

通常、内閣改造をした場合、支持率がアップするというのが普通だ。第2次以降の安倍内閣のときは6度内閣改造を行い5回アップしている。今回の岸田内閣改造後に支持率急降下というのは、かなりめずらしいケースと言えよう。

内閣改造は、9月の予定だったのが急遽前倒しになった。その理由は「統一教会と関係が深い議員を極力外すことでイメージの回復が狙いであった。そこで岸田総理は、自民党各派閥に気を使いつつ、昨年秋に総理総裁選を争った河野太郎氏をデジタル相に、高市早苗氏を経済安保相に入閣させるなど、安定的な閣僚人事を行った・・・ はずであった。

統一教会に関しては、関係を認めた閣僚7人を外したのだが、新体制でも7人が統一教会との関係があった。7人外しても結局7人が閣内にいるとなると、関係性の濃淡は別にしても、国民からすると「何やってんの?」となってしまう。

おまけに外務大臣として留任した林外相は、スマホのカメラレンズを胸ポケットから出したまま、欧米の要人と対談しており、以前より“親中派”と言われているだけに「中共のスパイ?」などと噂され、さらに元大王製紙会長の井川意高氏が

「今だから言います 4月4日に故安倍元総理と食事をご一緒したとき「林さんは中国のハニートラップにかかってるでしょうね」と仰ってた。根拠もお話になっていた。」

と、ツイッターでつぶやくとそれがトレンド入りするなど、少なくとも国民からの信用はさほど高くなく、林外相の人事も岸田内閣支持率に影を落とす原因のひとつになっている。

岸田総理にしてみれば、岸田派ナンバー2の林氏は外せず、またあまりに多くの自民党議員が統一教会と関係があり、少しでも関係がある議員を全部外すと、とてもまともな内閣は造れず「これはもう仕方がない」といったところだろうが、これでは国民から「認識が甘い」と呆れられても仕方がない。

岸田総理は、たまたまコロナ感染の重症化が減ったことや、何もしないことで高い支持率を得て来た。めずらしく決断した安部元総理の国葬も、安部元総理と統一教会の関係もあり、それほど国民に支持されているわけではない。このままだと、内閣支持率はじりじりと下がり続ける可能性大だ。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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