北朝鮮ミサイル70発以上発射 国民は飢餓と覚せい剤地獄

社会・2022-12-23 18:53
北朝鮮ミサイル70発以上発射 国民は飢餓と覚せい剤地獄
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国連の報告によると北朝鮮では人口の41.6%が栄養不足だという。昨年に続いて農作物も不作であった。
さらに医薬品不足が、北朝鮮の人々の命を奪っているという。
特にコロナの流行で、北朝鮮は国境を封鎖し、ほぼ鎖国状態となり医薬品不足となった。
そのため、北朝鮮の農村部の高齢者や子どもは、ささいな下痢や風邪程度で死ぬという。

一般の医薬品は深刻な品不足だが、あまっている薬もある。覚せい剤や麻薬といった違法ドラッグだ。
北朝鮮は1980年代に外貨を稼ぐために政府機関が覚せい剤などを製造し、密輸していた。
しかし1990年代半ばに、国際社会に密造がばれてしまい、売りにくくなった。

2000年代半ばには中国に「覚せい剤を売るな」とお叱りを受け、覚せい剤がだぶつくようになり、国内に流通するようになった。

脱北者で作家の金柱聖(キムジュソン)氏によると、2000年代には「空腹にならない薬」なとど言われ、各家庭に常備されていたという。
いまでは一般市民、子どもにまで広まっているそうだ。

北朝鮮の人民が栄養不足に苦しみ、覚せい剤がまん延する中、今年の北朝鮮はやたらとミサイルを打ちまくった。
今年は70発以上打っている。

それだけのお金があれば、北朝鮮の飢えた人民をかなりまかなえるそうだ。
しかし金正恩は、人民の飢えよりも米韓の脅威の方が大きいのだろう。

トランプ大統領と初めての米朝首脳会談があった2018年は0発だった。トランプ大統領が「会談が続く限り、米韓軍事演習は中止する」と言ったからだ。
そのとき金正恩は、よほどうれしかったのだろう、トランプ大統領に
「大統領閣下が並外れた努力をされたことに感謝いたします」
と、書簡を送っている。

しかし、第2回、第3回の会談が不調に終わると、米韓は共同軍事演習を再開。
それに反応して2019年は23発ものミサイルを打ちまくった。
2020年は8発。
2021年は6発。

それが今年は70発以上である。
北朝鮮がいかに米韓共同軍事演習に怯えているかが垣間見える。

米国防省が今年10月に「核戦略指針」を公表、そこには
「北朝鮮が米国や同盟国に核兵器を使用した場合、金正恩政権の終末となるだろう。金政権が核兵器を使用して生き残るシナリオはない」
とかなり恫喝的なことが書かれてあった。当然北朝鮮はまたミサイルを打ちまくることになる。

打つたびにミサイル技術は向上しているに違いない。
またこれだけ打てるということはミサイルの生産能力も高いはずだ。
中東やアフリカにミサイルや核を売る算段があるのかもしれない。
しかし一方で、国民が飢えや覚せい剤に溺れる国に未来はあるのだろうか?

れいわ新選組の山本太郎氏が「親ガチャなんて言葉を使う前に、今この国(日本)に生まれたら『国ガチャハズレ』なんです」と言っていたが、つくづく北朝鮮に生まれなくて良かったと思っている。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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