「おぐらが斬る!」中立国インドのロシア離れがはじまっている

社会・2023-09-20 20:28
「おぐらが斬る!」中立国インドのロシア離れがはじまっている
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いまや人口世界一、米国や中国に次ぐ大国となったインドが、世界秩序の鍵を握るとも言われるようになってきた。

インドは年齢の中央値が28歳と、とても若く活力のある国だ。(日本人の年齢中央値は48.8歳、米国38.9歳、中国は38.5歳)

今年はインドの無人月面探査機が、月の南極に着陸に成功、技術力の高さも非常に際立ち、G20のホスト国になるなど国際的に注目を集めた。またGDPでは英国を抜いて世界5位と急成長だ。

西側と中露が対立するなか、核保有国でもある中立国インドの影響力は、とても大きい。

さて、ウクライナ戦争において、インドはこれまで中立的な立場で、ロシアにも西側にもつかない姿勢を示してきた。

ただし軍事的にはインドはロシアに依存してきた歴史がある。2000年から2020年にかけてインドが外国から輸入した兵器のうち66.5%がロシア製なのだ。ところがウクライナ戦争がはじまってからおかしくなってきた。

ロシアは、兵器を他国に輸出するような余裕がなくなってきたのだ。

インドは中立的で実利的な国家である。ロシアの兵器が手に入りづらいなら、西側の兵器にするまでだと考えているようだ。そして今年の6月に米国と戦闘機の共同生産を合意。フランスからは戦闘機の購入と脱ロシア化が始まった。

兵器などの共同生産や共同開発、戦闘機の購入というのは、メンテナンスも含めて軍事機密を共有することにもなるので、軍事同盟に限りなく近くなるということでもある。

また昨年には初の国産空母を就役させ世界有数の海軍大国の仲間入りも果たした。

さて、いまや米中に次ぐインドは日本をどう見ているのだろう? 現役のインド外務大臣で、駐日大使館次席公使、駐中国大使、駐米大使などの経験もあるジャイシャンカル氏が書いた『インド外交の流儀』(笠井亮平訳:白水社刊)によると

「日本との協力が経済面、安全保障面においても絶大なポテンシャルを持っていることは、インド政府では広く認識されている」

「インドの政治の中で印日関係は超党派的な支持を得てきたという点で、日本はユニークな存在」

【印日関係は超党派的な支持を得てきた】ということは、与党も野党も関係なく日本に好意的ということだ。

インド人が日本に好意的なのは歴史的背景がある。まず日露戦争でアジア人として初めて白人国家に勝利したのを、インドの人々は「アジア国家の幕開け」と感じ、太平洋戦争中では、インドの独立に間接的に手を貸したため、今でも好意的なのだ。

英国の首相はいまインド系のスナク氏であり、アメリカの副大統領のカマラ・ハリス氏もインド系だ。

GDPでは、2030年に日本を抜いて世界3位になると予想されているインドから、我々は目が離せない。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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