岸田VS安部の権力闘争がはじまっている

政治・2021-12-28 18:42
岸田VS安部の権力闘争がはじまっている
閉じる

第1次岸田内閣発足から3カ月近くたち、テレビ東京と日経新聞が12月24~26日に実施した調査によると、岸田内閣支持率は65%。通常、3カ月もたつと支持率は下降しているものだが、岸田内閣の場合、10月から6ポイントも上昇した。

岸田内閣の好調さは、新型コロナが急減していることが大きいのだろう。しかしコロナの急減は、岸田総理の手腕というより、菅前総理のワクチン対策による功績か、あるいは“運”だ。ただ、オミクロン株出現に対し、外国人の新規入国を即行で入国禁止したことは、ほとんどの国民が評価している。

北京冬季五輪に対して、人権問題を理由に政府代表団を派遣しないことにしたことも、多くの国民が支持している。

しかしここにきて、政界では「岸田VS安部」の暗闘が囁かれている。元々、岸田は安部から、総理の椅子を譲り渡されることを期待していたが、菅にもっていかれ、総裁選においては、安倍は高市を応援と、岸田と対立するような立ち位置にいた。

岸田が「財政健全化推進本部」で会合を開くと、高市は安部を最高顧問にした「財政政策検討本部」を同日に開く。

岸田が「財政健全化(国債などの借金を返済し、緊縮財政にして赤字財政を健全な状態に戻すこと)」を語ると
安倍・高市は「積極財政をするべき(経済回復のために、国債などを使って、金をばらまくこと)」と、正反対の政策を主張。

これはもう火花がバチバチと散っているようではないか。

とはいえ、派閥でいうと安部派95人、岸田派43人と、岸田派だけでは太刀打ちできない。そこで岸田は、麻生派53人、茂木派53人と連携を密にしているという。

いま岸田内閣はコロナの減少で高支持率だが、今後支持率が低迷してくるとしたら、「積極財政」を武器に安部が攻勢をかけ、岸田VS安部の権力闘争が炎上するかもしれない。それとも岸田が、安部・高市の積極財政を取り込んでいくのかは、今後見ものとなろう。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

関連記事
関連タグ
政治新着記事