期待外れの首相、岸田文雄は不運か幸運か

政治・2022-12-06 20:35
期待外れの首相、岸田文雄は不運か幸運か
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JNNの世論調査によると12月の岸田内閣支持率は、「支持34.2%」「不支持61.9%」であった。
内閣支持率は4か月連続で過去最低を更新。
昨年夏の、菅内閣の最低支持率と同水準にまで低下している。

内閣支持率が落ちだしたのは今年の7月8日、安倍元首相が射殺され、その2日後の参院選で自民党が大勝利してからというのは、なんとも皮肉なことであった。
それまでは「なにもしない首相」と言われながらも内閣は高支持率をキープしていたのにだ。

岸田首相は、秋の衆院選に勝ち、夏の参院選も制することで、これから「岸田一強の時代が来る」という政治評論家がいたくらいなのにだ。

安倍元首相の銃殺は、あまりにもショッキングであり、各テレビ局は「追悼番組」をやった。

その空気を読んでか、これまで「検討使」をあだ名され、決断しない総理と言われていた岸田首相が「国葬義」をやると発表。安倍元首相死去から6日後のことであった。

岸田首相とすれば「いま決断しなければ、決められない首相」という負の烙印を押されかねないと思ったのかもしれない。
国葬義をやれば、安倍元首相と交流があった米国のトランプ氏、ドイツのメルケル前首相、もしかしたらロシアのプーチン大統領も来るのではないかという下心もあった。

ところが国葬義に関して、国民の反応が二つに割れて来た。
安部元首相と統一教会の関係が出て来て、国民の中は複雑な思いを抱く人も少なくなかった。
自民党議員の中から、ぞろぞろと旧統一教会と接点をもつ者が出てきた。

この辺りから内閣支持率は落ちだす。
8月10日、岸田首相は支持率低下に歯止めをかけるため内閣改造をする。
しかしそれでも支持率低下はとまらない。
旧統一教会との関係や、失言などで閣僚の「辞任ドミノ」が起こってしまっている。

岸田文雄と言う人は、日本国の首相にまでなれた人物である。そういう意味では、実力はもちろん多くの幸運に恵まれた人だろう。

しかし今年の夏以降、安倍元首相の死や自民党と統一教会の問題が発覚してから、まるで運に見放さているように思える。

だが、安倍氏の死も自民党と旧統一教会との関係も、岸田首相には直接関係はないのだ。しかし岸田首相は、自民党総裁として責任を問われることになる。
さらに不運なのは、ウクライナの影響での物価高である。これは岸田内閣の実力を問われるところだ。

そして辞任ドミノの閣僚たちを選んだ任命責任はもちろんある。

しかしまた内閣改造をしようとしても、自民党国会議員のうち379人中179人が旧統一教会と接点があった。
内閣改造しようとも、有能で信頼できる議員は何人残っているのだろうか?

「女性自身」がアンケートサービスとTwitterで、2000年代の「期待外れだった歴代首相」について聞き取り調査を実施したところ

1位 岸田文雄
2位 鳩山由紀夫
3位 菅義偉
4位 菅直人
5位 森喜朗

という結果であったそうな。
しかし幸運にも(?)国政選挙はしばらくなく、岸田おろしは起こっていない。
岸田文雄氏は不運なのか幸運なのか?
岸田さんには国民の期待に応えてほしいものだ。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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