金正恩党委員長の謝罪の言葉は北朝鮮崩壊の予兆か?

社会・2020-10-13 19:05
金正恩党委員長の謝罪の言葉は北朝鮮崩壊の予兆か?
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警視庁公安部外事課には現在三つの課がある。外事課とは海外のスパイ活動を捜査する課で、ロシア東欧担当の1課、中国北朝鮮担当の2課、中東担当の3課である。

それが、このたび中国北朝鮮担当の2課から北朝鮮部門を独立させることになった。北朝鮮といえば、先日軍事パレードを行い、金正恩(キム・ジョンウン)党委員長が「ありがとう」「感謝」「申し訳ない」「面目ない」という表現を合わせて20回前後を使い、さらに涙ぐむということがあった。

これまで金正恩が人民に対してこのような言葉を連呼したのははじめてのこと。また、金正恩は先月が海から北朝鮮に入った韓国政府職員を、北朝鮮兵士が射殺したことを「非常に申し訳ない」と、これも異例の謝罪をしている。これはかなり金正恩が追い詰められていると考えていいだろう。

北朝鮮は〝自称″「人民は一人も新型コロナに感染していない」と発表しているが、脱北者情報によると全国に蔓延しているのはほぼ確実。また、3度の台風と水害で、農作物に壊滅的な被害を受けた。脱北者の金柱聖氏によると、コメだけではなく人民が1人年間100キロも食べるというキムチの材料、白菜も壊滅的だという。

ちなみに日本人がもっともコメを食べた1961年でも1人年間118キロ、現在では54キロだから北朝鮮人が白菜キムチを食べているかがわかる。

北朝鮮の食糧難は慢性化しているが、今年は新型コロナを防ぐため、北朝鮮は中国との国境を封鎖中であり、物資の輸入も激減。これまで庶民を支えてきた「闇米」「闇白菜」も入ってこない。

報道によると水害で災害援助のため派遣された兵士が、食料欲しさに民間人を襲うという事態まで発生しているらしい。兵士が民間人を襲うようになればもはや末期症状といえるだろう。

金正恩の人民への感謝の言葉、謝罪の言葉は、北朝鮮崩壊の予兆を表しているのかもしれない。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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