いじめ自殺と学校の隠蔽体質
社会・2021-08-21 18:26今年の3月、14歳の少女が北海道旭川市の公園で凍った状態で発見された。いじめを受けた上での自殺と考えていいだろう。
少女がいじめを受けるようになってから、母親は性格が暗くなった娘を心配し、学校へ5回も相談をしたが、学校はまともに取り合わなかった。
いじめ加害者側は、少女の自慰行為を強要し、それを撮影、LINEで拡散するということまでやっており、学校側はそれを知った後も、その行為をいじめと認めようとしなかった。
はっきり言おう。これはいじめではない。犯罪である。学校側は犯罪を容認していたということだ。
さらに被害者の母親の手記によると、納得がいかない母親に対して校長は
「10人の加害者の未来と、1人の被害者の未来、どっちが大切ですか。1人のために10人の未来をつぶしていいんですか」
と、語ったという。つまり10人が行った犯罪行為を表ざたにすると、10人の生徒の将来に傷がつく。被害者1人が黙っていればそれでことが済むというわけだ。被害者は不幸にも亡くなってしまっているので、文字通り「死人に口なしなんだから、それでいいじゃないですか」と、この校長は言っているのである。
筆者は以前すいぶんといじめについて調べたり、取材をしたことがあって、学校というのは、この校長のように見事なまでの隠蔽体質である。
教員にマイクを向けても、適当なことしか言わない。しかしマイクを切ると、いろいろな問題があることが出るわ出るわ…… そこで再びマイクを向けると、さっきと違うことを言い出す。
学校というのは、徹底した事なかれ主義であり、いじめ自殺があったとしても、最初に学校側が言う言葉は決まっている。
「いじめはなかった」
である。
この事なかれ主義がある限り、学校は常にいじめ加害者の味方にならざるを得ないのだ。
いまこそ学校は、この体質を改善するために、システムから変えていく必要があるだろう。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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