自殺は4~5月がピーク! もっと自分にも他人にも家族にも優しくなってほしい

社会・2021-03-29 17:55

交通事故死亡者数3千人。
熊、スズメバチ、毒ヘビ等動物に襲われての死亡者数20~30人。
年間の殺人被害者数300人。

そして自殺者数2万人強……

人間は他の動物と違い、同じ種の動物を殺す動物だが、実際は他人を殺すより、自分を殺す動物であることを、この自殺者数が極端に多いことが現わしている。

そして日本において、自殺は3月に増えだし4~5月がピークとなる。理由は気持ちが沈みがちな冬が終わり、心が浮き立つ春が来るのだが、心にストレスを感じていたりする人は、逆に疎外感を感じることがあるという。

また季節の変わり目で自律神経のバランスを崩したり、入学や就職、転勤や移動など環境が変わることも多くストレスを感じやすい季節でもある。

まして今は歴史に残る疫病が世界に蔓延しているさなかでもある。特に我が国ではコロナ禍の中、2020年では女性の自殺が15%も増加、高校生までも児童生徒も過去最多となってしまった。

日本はコロナ前から若者が多い国であった。自2019年の「人口動態統計」によると15歳から39歳までの死因の第1位が自殺である。10歳から14歳まででは、自殺が死因の第2位を占め、2017年では第1位となっている。若者の自殺が多いのは先進国では日本だけだ。

自殺の背景は人それぞれだが、コロナ禍における若者の自殺の一因として「家族と一緒にいる時間が増えたため」というものがある。本来家庭や家族というのは、自分がもっとも安心できる居場所であるはずなのだが、残念なことにそんないい家族ばかりではない。

女性や20~30代の若者には経済的問題と、友だちと会いにくい状況が孤独を生んでいる。女性や若者の自殺が増えているのは社会的【見殺し】かもしれない。我々は、もっと自分にも他人にも優しくなっていいのではないだろうか?

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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