統一教会問題は野党に絶好のチャンス。しかしどこまで活かせるか

政治・2022-08-16 18:12
統一教会問題は野党に絶好のチャンス。しかしどこまで活かせるか
閉じる

いま自民党をはじめとする政治家と統一教会の関係が、これまでになく注目を集めている。共同通信が国会議員にアンケートをしたところ、全議員の約8割である583人から回答があり、統一教会と関係の合ったとされる国会議員は、583人中106人が、統一教会やその関連団体のイベントに出席したり選挙協力を受けるなど接点があったという。

その接点があった議員のうち82人が自民党と、圧倒的に多かった。

また内閣改造前後に関係のあった議員は7人。副大臣や政務官は20人以上。カミングアウトしていない大臣や副大臣・政務官、その他の議員もいるだろうから、いま以上の数になるに違いない。

接点があった議員は野党が圧倒的に少ないことから、これは野党にとってモリ・カケ・サクラ以上のチャンスと言えるだろう。

また、野党の低迷は、決定打の欠けるモリ・カケ・サクラ問題追及をあまりに長く続けたため、国民がやや呆れ気味であったことも忘れてはならない。コロナが国民の第一関心事であったときも野党は「コロナよりもモリ・カケ・サクラ」の姿勢のままだったのだ。

その点、統一教会問題は、実際に犠牲者が多いため、野党としては、多少のブーメランや返り血を覚悟しても、追及のしがいがあるはずだ。

時事通信の調査でも、統一教会と政治家の関わりについての実態解明が必要かどうかの問いに「必要だ」77.3%、「必要ない」11.0%であり、支持政党別でも全ての政党支持層で「必要だ」が7割を超えており、国民の関心度はとても高い。

しかし内閣や自民党の支持率は下がってはいるものの、野党各党の支持率が上がっているわけではない。つまり「自民党にはガッカリだが、かといって野党には期待できない」というのが多くの国民の本音であろう。

岸田内閣や与党は統一教会問題について、このままうやむやにしたい考えのようだが、さてさて、いまの野党にどこまで追求能力があるのかが試されることになる。追及の仕方次第によっては、内閣支持率や自民党の支持率を今以上に落とし、野党各党の株をあげることも可能だ。しかしまたモリ・カケ・サクラのようなハンパな追及をダラダラと続けるようだと、ますます国民から見放されることになる。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

関連記事
関連タグ
政治新着記事