参院選大敗の予感しかない立憲民主党

政治・2022-05-01 18:45
参院選大敗の予感しかない立憲民主党
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4月24日、夏の参議院選挙の前哨戦となる参院石川選挙区の補欠選挙は、自公推薦の候補者が圧勝。立民は大敗した。開票結果を見ると

・自公推薦、宮本周司18万9503票
・立民推薦、小山田経子5万9906票

と、実に3倍以上の大差で立民側が大敗である。この結果を踏まえて立民の大西健介選挙対策委員長は「選挙戦で『地方や生活が疲弊していく現状に今の政権は応えていない』と思う人が数多くいることを実感した」と、トンチンカンなコメントを出している。

この参院石川選挙区の補欠選挙は、11月に泉健太氏が代表となってからの初陣である。石川県は自民が強い地域とはいえ、3倍以上差の敗北はあまりに痛々しい。

茨城選挙区では、公募をしたにもかかわらず候補者を立てられず、独自候補を断念した。京都では福山哲郎前幹事長という有名どころさえ、当選が危ぶまれている。

菅政権時代、コロナ対策の不満を一身に受けていた菅首相をさらに追い詰めるべく立民は「ゼロコロナ政策」を打ち出したが、いまの中国を見てもわかるとおり、ゼロコロナ政策が幻想であることが証明されてしまったが、いまだに撤回をしていない。

立民最大の支援組織「連合」の芳野会長は、自民の会合に出席するなど最近ではむしろ自民党と仲がいい。労働組合員の希望をかなえるには、立民よりも自民の方が実現性は高いと踏んだのかもしれない。そして何より立民が共産党に近づいたのが気にいらないらしい。

1月には公約に盛り込む政策を一般募集するなど、自らちゃんとした政策をしめせず、国会では、コロナが上陸してきたときでも「モリ・カケ・サクラ」を追及してきた立民は、新しい代表になりどう変わったのだろう?

このままでは、参院選で野党第一党を維新に取られるかもしれず、立民は大敗の予感しかない。しかしまだ立民からは、本当の危機感というのが感じられない。

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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