【国葬】岸田総理の歯車が狂いはじめた
政治・2022-09-09 18:33岸田総理は、参院選まで何もやらないことで支持を落とさずに来た。野党の攻撃が来ても戦おうとはせず「しっかり反省し、今後検討します」と、のらりくらり。野党は攻めあぐねた。おかげで内閣支持率は落ちず高いまま参院選に突入。結果は大勝利であった。
岸田総理がずっと「検討します」とのらりくらり戦法をしてきたのは、参院選を見据えてのことだ。参院選で与党が過半数を取れば、その後3年間は国政選挙がない「黄金の3年間」が待っている。参院選に勝利すれば、ある意味やりたい放題ができるはずだった。
しかしここから急激に暗転する。選挙直前に安倍晋三暗殺事件が起きたのだ。それでも内閣は高支持率のまま参院選を勝利できた。その直後、これまで決断をしない総理と言われていた岸田首相が、異例の「即決」をした。安倍元総理の「国葬義」の決定だ。
この決定は、自民党最大派閥「清和会(安倍派)」を取り込む一手だった。派閥というのは敵を作ることで結束が強くなる。あまりにも大きなリーダー安倍晋三を失ったとき、安倍派は、宏池会(岸田派)に牙をむくことで、結束を強めようとするのは必然だった。
岸田総理は、その牙を事前に摘むために安倍元総理の国葬を即決した。あとは安倍派が勝手に跡目争いをして自滅するのを待つだけのはずだった。
予想外のことが起きた。安倍元総理銃撃の目的が、政治テロではなく統一教会を攻撃するためのものだったことが知れ、自民党議員と統一教会の関係が国民に伝わり大スキャンダルとなった。
統一教会との関係は、主に安倍派の議員であったが、自民党議員であることには変わりがない。内閣支持率が落ち始めた。
そしてここにきてウクライナ戦争の影響で物価が急激に上がり始め、同時に新型コロナの感染者数が急増。これまで何もしないことで支持率を保ってきた岸田内閣の歯車が狂いだしたのだ。
岸田総理は慌てて9月上旬に行うはずだった内閣改造を8月10日に急行した。内閣改造をすると、支持率は上がるのが普通だ。しかし内閣支持率は落ち続け、内閣発足以来最低の支持率になってしまった。
支持率低下は、主に統一教会に対する対処のあいまいさにあった。そこで内閣を一新して印象を変えようとしたのだが、国民にはまったく響かなかったのだ。
国民の目は統一教会スキャンダルから、こんどは国葬への疑問に移りだす。国葬を決定したとき、反対をしたのは「アベガ~」と以前から叫んでいた一部のサヨクが中心であったが、それが国民全体に広がりつつある。その空気を読んで当初出席予定とされていたマクロン氏やメルケル氏も出席を見送る見通しとなった。
さらにエリザベス女王が亡くなり、当然大々的な葬儀が行われ、安倍元総理の国葬と比べられることになる。どう考えてもエリザベス女王より見劣りすることになるだろう。
岸田総理の狂った歯車は止まりそうにない。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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