「おぐらが斬る!」不登校が増えているのは必ずしも悪いことではない
社会・2023-04-20 20:12不登校児童生徒の増加が止まらない。いまは約24万人もいるという。いまやクラスに1~3人不登校の子どもがいる時代だ。
筆者は20年ほど前に『不登校の真実』という本を書き、同名の映画を監督したことがあり、ずいぶん多くの不登校経験者や親御さんに取材したことがある。
その時代から比べても10万人以上も増えている。
不登校の原因などはその時代からほとんど変わっていない。
ただ、以前より学校に行かない・行けない子どもに対して腕を引っ張ってでも学校に連れて行くというような親は少なくなったようだ。
不登校経験者を取材したとき、学校に行きたくない・行きたいけど行けない子どもに対し、親が理解できず無理やり引きずって学校に連れて行かれ、深く傷ついたという人が多かった。中にはそれで心を病んだり、自殺を考えたという不登校経験者もいたのである。
だとすれば、20年前より10万人以上増えた児童生徒の中には、親の強引な行動に傷つかずにすんだ児童生徒もいるかもしれない。ある意味、10万人以上増えた原因の一つが、親や学校の理解であるかもしれない。と、仮にすれば増えたことは悪いことではない。
というのも、文科省の『令和2年度不登校児童生徒の実態調査 結果の概要』によると
「学校を休んでいる間の気持ち」(複数回答)には、「ほっとした・楽な気持ちだった」(小学生70%、中学生69%)」とあるからだ。
7割もの不登校児童生徒が、学校を休んでいる間「ほっとした・楽な気持ちだった」というのは、その子たちに学校が何らかのプレッシャーを与えていたのだろう。
コロナ禍で、オンラインで学習ができることがわかったので、コロナ禍がおさまっても中止せず、今後もどんどん利用していけば、学校にいかない子ども達にとっていいのではないだろうか。
日本国憲法第26条によると
1、すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2、すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
とある。子どもが教育を受けるのは権利であり、義務ではない。
保護者や国民は教育を受けさせる義務を負っているが、教育の場は必ずしも学校の教室でなくても、オンライン教育やフリースクールのような場でもいいのだ。
一番大切なのは、子どもが学校に出席することではなく、元気に育ち、自立できる大人になることなのだから。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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