クラスターに家庭と飲食店が多いわけ

社会・2021-01-27 17:31
クラスターに家庭と飲食店が多いわけ
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日本の新型コロナ対策は相当にひどい。例えばここ数日、政府もマスコミも感染者数を気にしているが、感染者数というのは、検査数に比例するわけだから、検査数が増えれば感染者数が増えるのは当たり前。そして検査を受けていない潜在的感染者は未知数だ。

よって重要なのは死者数と重症者数ということになる。

現在、症状があり検査を受けた人が、保健所から何を聞かれるか? 「過去2週間でマスクをしていないときはどこにいましたか?」「過去2週間でマスクをしていない人と、どこで話をしましたか?」である。

いまのご時世だれが考えてもわかる。マスクを離すのはまず自宅。そして飲食中である。

当然、感染経路やクラスターの発生場所で一番多いのは家庭内。次いで飲食店となる。

つまり現状のように「マスクをしていない人は濃厚接触」「マスクをしている人は大丈夫」というやり方で、クラスターや感染経路を追跡しても、結果はすべて同じになってしまう。

風邪にせよインフルエンザにせよ感染症が広がるとき、一部が感染源になるのはごく初期のときだけ。ある程度広がると、あとはあらゆる場所で広がる可能性があるのだ。

さらに検査で誰かが陽性と判定された場合、その人と濃厚接触したとされた人も検査をされ、例え陰性と認定された場合、2週間の外出自粛を要請されてしまう。これがどういうことかというと、感染していない人のケアのために、ただで多忙を極めている保健所職員の手を煩わせ、仕事ができない本人の経済的打撃も激しい。

さらに感染経路不明という人がもっとも多いのに、感染経路を追跡などまったくの無意味。東京都がこの感染経路の調査の縮小を決定したのは、わずかに数日前だ。いまだにこんなことをやっているのは世界でも日本くらいであろう。

そのお金と時間と手間があれば、もっと有効な対策がとれたはずだ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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