ゼロコロナ政策で世界に迷惑をかけ続ける中国
社会・2022-05-31 18:31中国のロックダウンが一向に解けない。現在、ロックダウンの地域は、北京市、上海市など98地域におよび、影響を受けている人たちは、3億2790万人にも及ぶという。
当たり前だが、工場や企業は営業を停止。その経済的損失は一カ月あたり約6兆円にもなるらしい。
そんな中国を世界は呆れ気味に見ている。数年前まで、中国に気を使いすぎているのではないかと言われていたWHOのテドロス事務局長でさえ、「ゼロコロナ政策は持続可能とは思えない」と批判しているほどだ。
中国の貿易輸出額は、13年連続で世界1位。上海港のコンテナ取扱量は12年連続世界1位だ。それがストップしてしまっている。その影響は世界中に及び、日本の場合だと、タマネギが3倍近く値上がりしている。
半導体なども出荷定地のため、エアコン、テレビ、冷蔵庫など家電全体が品薄になり、新製品は発売延期。トヨタでは国内の工場を一部稼働停止した。
それほど中国人民と世界中に迷惑をかけているのに、なぜ中国共産党政府は、ゼロコロナ政策をやめられないのか? 中国政府もゼロコロナではオミクロン株に対抗できないこと。中国製ワクチンが効かないこと。いまほど頻繁に検査をしなくてもいいことは、知っているという。
しかし、それは言ってはいけないことなのだ。なぜならゼロコロナを進めてきたのが独裁者の習近平であり、秋の党大会で3期目の総書記続投を目指している。そのため党大会前にコロナが感染爆発するのは何としても避けたい。何としてもだ。
そのためいまさらこの政策をやめるわけにはいかない。中国の役人は、逆らえば自分の地位が危ないのでやるしかない。
もはやゼロコロナ政策は、中国はもちろん世界経済に悪影響を与えるだけで、合理性はない。しかしいまの習近平の頭脳には、中国の国益も世界への迷惑も、中国人民の人権も存在しない。あるのは権力の維持だけだ。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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