コロナ情報依存症を悩ませた五輪中継とコロナロス

社会・2021-08-13 18:37
コロナ情報依存症を悩ませた五輪中継とコロナロス
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東京五輪が終わった。この五輪が成功であったか失敗であったか。やって良かったのか、やらないほうが良かったのかは皆さんそれぞれの意見があると思う。

さてさてこんな人がいた。

「五輪は面白いけど、ワイドショーで新型コロナウィルスの情報が減るのが困った」

どうやらこの人は「コロナロス」になってしまっていたらしい。コロナロスとは、コロナに不安を感じ、一日も早く収束してほしいと思いながらも、コロナ騒動が終わってほしくないという、相反する思いを抱くことをいう。

災害時の心理学では、災害に遭った当初は、自分や家族、仲間のために必死になる時期があるという。昨年の2月から5月あたりに自粛警察が頻発した時期がこれにあたる。自粛警察は、自分と周囲を守ろうとする負の正義感なのだ。

やがて適応していくのだが、新型コロナの場合、普通の災害と違い1年半以上長引いており、この1年半というものワイドショーは番組の大半を、新型コロナの”負の情報“を流し続けている。

そして中には、感染症の流行という“負のお祭り騒ぎ”の中で踊り続けている人もいる。特に高齢者は、外出もままならず一日中家に閉じこもり、朝からずっと新型コロナ情報を流すワイドショーを見続けている人も多い。

そういう人の中には”新型コロナ情報依存症“とでもいうべき状態になっている人もいるようだ。

ご存じのように、ワイドショーは感染者が減ったときでもそのことは流さず、新たな不安を煽る情報を流し”自称専門家“や訳知り顔のコメンテーターが、いかにいまが危険な時期かを語る。

情報がワイドショーだけの人は、当然怖くなって、新しい情報を求めるようになり、やがてどんどん疲れてくる。コロナ情報で疲れているのがわかっていても、ワイドショーを観るのをやめられない。そんな人は少しテレビから距離置いたほういいだろう。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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