オミクロン株で新型コロナはただの風邪になるか?

社会・2021-12-03 17:24
オミクロン株で新型コロナはただの風邪になるか?
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いま日本において新型コロナはほぼ収まっているといっていい状態だ。12月2日の時点で、新たな感染者127名、28県でゼロ、死亡者1名であった。しかし新たに「オミクロン株」という変異種が、日本にも上陸しはじめている。

オミクロン株について、南アフリカがWHOに新しい変異種を報告したのが、11月24日。この株はその後急速に世界に拡大。すでに35以上の国と地域で発見されている。これは大変強い感染力だ。

ウィルスの特徴として、強い毒性のものは、人間などの宿主を早く殺してしまうため、感染は遅くなる。ウィルスの生き残り戦術としては、自らを弱毒化することによって、人間を殺さずに、より多くの人に自分たちの遺伝子を拡散することができるよう変異する。

ウィルスにとって変異とは生き残るための進化なのだ。

オミクロン株は、いまのところ症状がこれまでの株に比べて軽いのが特徴。ヨーロッパ11か国で報告があった59件では、すべて無症状か軽症であった。ボツワナでは19人のうち16人が無症状。残り3人は極めて軽い症状であったという。これまでの嗅覚や味覚がなくなるという症状も、いまのところはなく、どうやらいわゆる“普通の風邪”程度の症状であるようだ。(もっともイスラエルの報告では重症化率は高いというものもある。つまりまだよくわかっていないのだが……)

あくまで楽観的希望に過ぎないが、このままデルタ株からオミクロン株にシフトしていくとすれば、来年中には、新型コロナも従来のコロナウィルス同様、普通の風邪になるかもしれない。

ただし、普通の風邪といっても、風邪の原因となるウィルスは約200種類。彼らはコロコロと遺伝情報を変異させていく。仮に来年、いまのコロナ騒動が終わったとしても、またすぐに新しく変異した風邪ウィルスが、人類に襲い掛かってくるかもしれない。

人類と感染症の戦いは、おそらく永遠に終わらないのだ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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