嫌われるロシア
社会・2022-03-23 18:13いま欧米はじめ西側と言われる世界だけではなく、これまで誰の味方にもならなかった永世中立国スイスが、ロシアへの制裁を導入し、NATOは2021年12月時点でボスニア・ヘルツェゴビナ、ジョージア、ウクライナを加盟希望国として認めている。
今年になり、中立国であったフィンランドとスウエーデンがNATO加盟を表明。かつてソ連邦でお友達と思われていた国々が、みんなロシアを嫌い離れたがっている。
そしてウクライナ侵攻がはじまると、欧州いがいの人々も「ロシアってなんなん?」と、ロシア嫌悪を持つ人が増えた。日本人の中にも、ロシア料理店に石を投げたり、ロシア人の子どもをいじめたりするような人もいるらしい。
(こういったことは絶対にやめるべき。犯罪行為だし、ロシア料理店の店主がウクライナ人であることは少なくない。一般のロシア人、特に子どもには罪はない)
かつてロシアと同盟を組んでいた“東側”と呼ばれる多くの国が、いまや続々とロシアを見限って、EUやNATOに入りたがっているのが現状だ。それに対して、ロシアは
「わしら一度は、盃を交わした仲やないの、どうしても組をやめたいんやったら、それなりの落とし前をつけてもらおうやないの」
と、脅してきたわけだから嫌われるのも仕方ない。それでも離れようとするのをやめないウクライナに対して「待てや~! 核落とされてもええんかコラ~!」と、武力行使を実行したわけだ。
この姿を震えながら見守っているのが、NATO入りを希望している国々だろう。フィンランドなどは、とても長い国境をロシアと接している国だ。
2018年 NATOが冷戦後最大規模の軍事演習に、フィンランド参加。
2021年 ロシア、フィンランドがNATOの加盟の場合「深刻な結果」と警告。
2022年 フィンランド、NATO加盟の権利を主張
と、ロシアから逃げようとしている。同じようにロシアから離れようとしたウクライナを見ながら、次は我々かもしれないと、この戦争を見つめているに違いない。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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