新型コロナ対策 我が国はデータではなく空気が決めている
社会・2021-03-16 17:51『この国を支配しているのは空気である』と喝破したのは、評論家の山本七平であった。
太平洋戦争を始める前、日本の軍部や政治家の多くが、心の奥底では「アメリカと戦争すれば負ける」と予想していたという。さらに、あらゆるデータも、日本が勝つことは難しいことを表しており多くの識者はそのことを知っていた。
そういった軍人や政治家は「日本が勝てる可能性は低い」と言い出すことができなかった。そんなことを言う【空気ではなかった】からだ。
戦争中、敗戦が濃厚になっても誰も「日本は負ける」とは言えなかった。【日本の空気】がそんなことを言うことを許さなかったからだ。
データやエビデンス(科学的根拠)を軽視し空気を重視する傾向は、いまの日本にも根強く残っているようだ。それは今回の新型コロナ騒動にも表れているように思える。
2020年2~4月、日本の政治家はなぜかひどく楽観的で、国民が不安のかたまりになり、町からトイレットペーパーやマスクが、消えているときに「お肉券」を配布してはどうかという話で盛り上がっていた。あのときの政府は「こんなものただの風邪。すぐに収まる。そんな風邪のために給付金なんてもってのほか」という空気があったのだろう。
しかし国民の【空気を読んだ】公明党や二階氏が安倍首相に「このままではまずい」と、安倍首相に強談判し、一律給付金が決定した。
一方、国民は不安のあまり自粛警察が横行し、まるで太平洋戦争中の相互監視社会のようになり、「感染予防のためというより、誰かから怒鳴られそうだからマスクをつける」という【空気】になっている。
昨今の緊急事態宣言の延長や解除の論争も、エビデンスもデータよりも【空気】が我々を支配しているのが実情ではないだろうか。
緊急事態の延長にせよ解除にせよ、空気ではなくエビデンスとデータで決めてほしいものだ。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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