マスク外す? 外さない? どっち
社会・2022-05-11 17:01岸田総理が外遊から帰ってきた。歴訪先の映像をみて「ほう」と思ったのは、英国のジョンソン首相や、ローマ法王と会談するときマスクを外していたことだ。
そして日本に帰ってきたらちゃんとマスク着用。聞く耳を持った総理だそうだから、秘書や側近が「総理、日本ではマスクをしないと叩かれます」とでも言われたのかもしれない。
一方10日、東京医師会の尾崎会長は「屋外で換気のいい場所では、感染力はあまりない」と、屋外のマスク着用を見直す提案をした。
なんでも高齢者の3回目ワクチン接種率が、8割を超えているので「高齢者は自らを護れるようになっている」とのことだ。
あくまで個人的意見だが、これまで日本のコロナ対策は、高齢者を守るために若者や子供と、一部の業者を犠牲にし過ぎていたように思う。
新型コロナの死亡者は80歳以上がほとんどだ。一方、中学生や高校生、大学生はこの2年半、ロクに学校にも行けず「青春時代」を高齢者予防のために捧げたと言える。
保育園児や幼稚園児は、保母さんや大人たちが、いつもマスクで口元を隠しているため、言葉が遅れる子もいるという。
さて、もはや新型コロナは“定着した”といっていい。テレビ局ではコロナ報道で視聴率が取れず、他の報道が中心となった。
そして11日、松野官房長官が「人との距離が十分取れれば、屋外では必ずしも必要ない」と発言した。
しかし多くの人はすぐには外すまい。マスクについて、いま日本人がもっとも気にしているのは【人目】だ。
感染率が極めて低い屋外では【人目を気にして】マスクをし、感染力が強いはずの飲食店に入って椅子に座るとマスクを外す。そんな人が多い。
日本人は、論理より場の空気で動く。医師会や官房長官が言ってもしばらくは、外したくても外せないのではないだろうか?
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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