犯罪国家北朝鮮と金正恩のいま

社会・2021-06-10 18:30
金正恩

金正恩

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北朝鮮の東京五輪参加が取りやめになった。表向きの理由は「新型コロナから選手を守るため」であるが、もちろんそんなことは誰も信じていない。

また公的には新型コロナが入っていないという北朝鮮だが、どこまで本当かわからない。
ただ、北朝鮮は、2020年1月から金正恩(キムジョンウン)総書記の命令でより厳格に国境を閉じ、ほぼ鎖国状態となっている。

そんな北朝鮮経済を支えているのは、【国家的犯罪】である。いま北朝鮮はならず者国家として、多くの国から経済制裁を受けているため、犯罪を行って外貨を稼ぐしか経済を回せないのだ。

偽造通貨、麻薬売買、サイバー攻撃で仮想通貨を奪うなどで年間2200億円もの外貨を稼いでいるという。

ただ、このコロナ禍で国内企業が国家に上納する金が、2019年当時と比べ2020年は8割近く減少したという。

当然、人民は飢餓に苦しんでいるはずだ。90年代中頃、東西冷戦の終結、ソ連崩壊などでソ連など東側諸国からの食糧支援がなくなったとき、北朝鮮は数十万の餓死者を出したのだ。

そのときはまだ、国民や政府幹部から正恩の父金正日に信用があった。しかしいまの金正恩は現在父親や祖父ほど人民に愛されていない。

そのため金正恩の統治力はずいぶんと落ちているらしい。
現在、北朝鮮は新型コロナを名目に「5人以上集まるな」など大変厳しい統制をかけ、人民の反動思想を封じ込めようと躍起だ。

金正恩の権威も揺らぎ始めつつあるらしい。独裁制は薄れ、金正恩を支えているのは、建国の父金日成の孫である血統だけという研究家もいるくらいだ。

最近、金正恩が2016年まで使っていた「第1書記」のポストが復活したことがわかった。
健康に問題がある金正恩を支えるナンバー2を作るためだが、これに金一族以外がなるとしたら、その地位をめぐって、政府幹部や派閥の権力争いが起きるに違いない。救われないのは飢えている人民たちだ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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