非接触の時代。テレワークとセックスレス

エンタメ・2021-11-09 17:52

コロナ禍で一気に進んだものにテレワークや在宅勤務がある。しかしこれらの働き方は、急に現れたものではない。シリコンバレーのIT企業では、以前より当たり前に行われていたことであった。

2005年創業の『オートマティック社』は、世界のサイトの3分の1は『ワードプレス』で作られているというほどのソフトを開発した企業だが、コロナ禍前の2017年に従業員全員がテレワークとし、オフィスをなくしてしまった。それでいてオートマティック社は成長を続けている。

世界中の多くの企業がテレワークに関心を持っているのは、通勤時間をなくし、オフィスの費用削減、何より対人ストレスをなくすことができるからだ。

2016年、トヨタが2万5000人を対象に在宅勤務制度を導入し、オフィスへの出勤は週に2時間でいいことになり、一部で騒がれたが、その頃から大企業も中小もテレワークの導入がはじまっていた。その少し前から出勤せずに働く「ノマドワーク」という言葉も流行っている。

これらが流行るのは、人間同士の接触を避けることでストレスを回避するためであるが、究極の接触であるSEXはどうであろう? 日本では以前より「草食系男子」など、性に積極的ではない若者が問題視されてきた。

シカゴ大学の調査資料によるとコロナ前の2018年、18~30歳で、一年間一度もSEXをしなかった男性は28%おり、10年前の約3倍も増え、過去最高とのこと。女性の場合も2倍ほど増えている。この傾向は他の先進国でも同様だ。さらにコロナ禍がセックスレスに拍車をかけている。

ここ十数年で、先進国の人類は急速に、他人との接触を避けるようになってきた。それはネットやAIの進歩と深く関係している。わずらわしい人間関係を避け、ネット上で接触する。フェイスブックが社名を「メタ」に変え、これからは仮想現実に力を入れるとのこと。

これからは、営業も会議もSEXも人と会わずに仮想世界で行うようになる可能性大だ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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