「コロナ5類扱い」をやらない岸田政権のなぜ

社会・2022-01-24 19:36
「コロナ5類扱い」をやらない岸田政権のなぜ
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デルタ株より感染力では4倍とも5倍とも言われるオミクロン株だが、肺炎症例の割合は、従来株の8分の1と激減している。デルタ株からオミクロン株に置き換わってから、重症化率もインフルエンザにかなり近づいてきた。

急激に増える感染者に対して、従来の新型コロナ分類が入院勧告や強制入院がある2類(結核やSARSなど)のままでは、医療をひっ迫してしまうことは明らかだ。そのため、5類(インフルエンザなど)に変更を考えてほしいと、小池百合子都知事、松井一郎大阪市長らが訴えている。5類になると、保健所や現行の医療現場の負担もかなり軽くなるはず。

しかし、岸田文雄総理は新型コロナの分類変更について否定している。なぜか?

岸田総理は「コロナウイルスは変異を繰り返していて、分類を変えたあとに、また強毒な変異種が出てきたら、また元に戻さないといけないから」という考えらしいのだが、これは明らかにおかしい。そんなことを言い出せば、永遠に変更などできなくなってしまうからだ。

岸田総理のホンネは、これまでの傾向として「新型コロナに対して厳しい態度を示した方が支持率は上がる」と、学習しているからである。

大衆の多くは、統計など見ないがテレビは観る。マスコミに不安を煽られた大衆にとって、本当に有効な方法よりもその場の不安を解消してくれる(ように見える)政治家に拍手を送る。高支持率を維持したまま夏の参院選に持っていきたい岸田政権としては、コロナ対策を緩めることで、支持率が下がることを恐れているのだ。

ただし岸田総理のことだから、大衆の大多数が「5類の方がいいんじゃないか」と考え始めたら、即座に方向を転換するだろう。そしていまマスコミも徐々に方向を変えつつあるようだ。政治のレベルは国民のレベル。国民のレベルはマスコミのレベル。これらは一蓮托生なのかもしれない。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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