重症化リスクのある患者を優先して入院? それ当たり前!

社会・2021-08-03 11:29
重症化リスクのある患者を優先して入院? それ当たり前!
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菅義偉首相は、新型コロナウィルスの重症化リスクのある患者を優先して入院させ、その他の人は基本的に自宅療養とする方針と表明した。

新型コロナの”重症“とは、集中治療室での治療が必要な人のことで、入院は当たり前。これは政府が「もう打つ手なし」と認めたということでもある。なぜこういうことになったか? 答えは実に簡単だ。政府がこれまで「有効な手を打ってこなかったから」に他ならない。

例えば【医療崩壊の危機】は一年以上も前から、政府自身が自覚し、声高に叫んでいたことだ。それに対して政府がやったことと言えは、【スティホーム】の要請であった。

そもそも医療崩壊とは何か? 新型コロナウィルス患者用の集中治療室や入院用のベッド数がなくなり、適切な治療ができなくなることをいう。

しかし町を少し歩けばお分かりの通り、町のクリニックに新型コロナの患者が押し寄せているなどということはない。理由はカンタン、新型コロナは特別な病院でないと治療できないからだ。

では政府がやるべきことは何であったか? 新型コロナ用の病院やベッド数、医療従事者を増やすことであった。もし1年前にそれを行っていたら、重症患者が病院をたらいまわしにされることもなく、中症患者も余裕で入院治療ができていたはずだ。

ちなみに予算がなかったわけではない。コロナ対策に60兆円の予算を組んで、いまだ30兆円しか使っていないのだ。そのお金を使っていれば、今頃医療ひっ迫など解決していたはずなのだ。

ちなみに入院ができる病院というのは、コロナ以前からひっ迫するように作られている。入院施設というのはホテルと一緒で、いつも病室がガラガラでは経営が成り立たないからだ。今回のようなパンデミックが起こったからといって、即全員入院というわけにはいかない。

そのときこそ出番は政府のはずだったのだが……

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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