修学旅行は禁止! でもパラリンピックは観戦にきてね

社会・2021-08-21 10:09
修学旅行は禁止! でもパラリンピックは観戦にきてね
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小池百合子東京都知事は、東京パラリンピック大会で、都内の小中高生ら最大約13万2000人が観戦する「学校連携観戦プログラム」を、実施する方針だとか。

しかしその一方で、新型コロナの感染急拡大を受けて、小池都知事は都県境をまたぐ修学旅行の実施の中止、または延期を求めている。

なんとも矛盾しているのだが、小池知事にとっては、「都内の小中高校生が県をまたがないで、パラリンピックを観るならいいじゃないの」という言い分かもしれない。

しかしただいま、過去最悪の感染拡大中なのだ。新型コロナになり救急車で運ばれても、過半数の約6割が入院できない状態なのである。その事態の最中に13万2000人という大人数の大移動を東京都はやろうとしている。

しかも、小中高校生のパラリンピック観戦については、東京都教育委員会が臨時に会議を開き、出席者の委員全員が、子どもたちの観戦について反対したというのにだ。これに対して、小池知事は「意見を参考にする」と述べたそうだが、参考などせず反対意見は無視するとしか思えない。

そんな中、国会では分科会の尾身会長が
「五輪開始の時期と、これからのパラリンピックの開始の時期を比較すると、今のほうが状況はかなり悪くなっているということを踏まえて、いろいろなことを決めてほしい」
「観客を入れるというのは、どういうことかを、考えていただければ、当然の結論になる」
と、小中高校生の観戦に反対の意見を語っている。

さて、なぜパラリンピック観戦はOKで、修学旅行はダメなのか? これになっとくできる小中高校生は、まずいまい。子どもたちが納得できないことを東京都は求めているのだ。

いや、これは子どもたちだけではなく、大人でも納得できないであろう。東京都や日本政府のコロナ対策を見ていると、とても本気で新型コロナに向き合っているとは思えない。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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